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■やっぱ好きやねん! 商店街 (NO.92)
2月に還暦を迎えました。赤い服を着ても文句は言われません。映画はシニア割引で観られます。優先座席にも堂々と座れます。いいことばかりです。昨年の中学の還暦同窓会で、友人が「よくぞ60年生き抜いてきた!」と乾杯の挨拶をしましたが、なかなか言い得て妙でした。寿命が延びているとは言ってもあくまでも平均ですから、やっぱり60年もよく生きてきたと感動したいものです。とりわけ、我が儘で自分の思うように生きてきた私なんぞは、家族や友人や周りの人たちに絶大なる感謝が要るでしょう。ほんとに、みなさんありがとうございました。
ついでに大学も辞めました。33年勤めました。早期退職で退職金が割増されるのに魅せられたのです。これで、肩書きのないただの「長田のジジイ」になります。新聞に出ると「無職」と書かれます。「住所不定」と書かれないだけマシでしょうか。
辞めて何するの?って聞かれます。何もせえへんねん、と答えると、退屈するで、と言われます。幸い、普通の勤め人とは違って拘束時間のごく短い、勤め人からすると夢のような仕事だったので、時間の潰し方はいろいろ身についています。なんて書くと、時間つぶしに授業したり現場へ行ってたのかと言われそうですが、ま、似たようなもんです。
でも、やっぱり何かしないとダメですよね。そこで考えたのが、市内の商店街のイベントに全部参加する。それをフェイスブックで報告する。名付けて「商店街を勝手にひとりで盛り上げ隊」。これまでは審査したり、アドバイスする側でしたが、これからはイベントを楽しんで盛り上げる側に回ろうと。
アベノミクスが功を奏しているとは思えませんが、プレミアムという名前のついたいろんな商品が登場したり、消費は少し上向きなようです。実際には、単なる値上げだけでは売れなくなるので、品質をさも良くしたようなネーミングで価格を上げる方法ではありますが、これが案外と受けています。
かといって、商店街を取り巻く状況が良くなっているわけではないので、イベント事業はこれからも商店街生き残り戦略の柱のひとつでしょう。集客が個店の売り上げ増に繋がるような工夫は必要ですが、まちゼミや100円商店街など、ディズニーランドではないですが、気まぐれな消費者を飽きさせないように、毎年新しい仕掛けを作り出していくことが肝腎です。変化は常に更新しないと常態になってしまいます。(おっと、また偉そうにアドバイスしてしまいました。)そんな商店街のイベントを体感しに行きます。
あるいは、これまでは商売もしたことないのに偉そうに審査したり、アドバイスしてましたが、言ってることが間違いじゃなかったというのを証明するために、自分で商売を始めてみましょうか。売るのはいろんなサービス。パソコンの設定や使い方指導、中高生の英語塾、英文翻訳、大学進学相談とか。
また、そこが中学や高校の還暦同窓生たちが気楽に集まれるサロンのようになれば、スキルを持った同窓生が多くいるので、保険の相談、子育て相談、企業の人事コンサルティングなんかもできそうです。いわば「町のなんでも相談室」ですね。一単位30分でワンコイン(500円)。持ち込んだお酒を片手に、「相談バル」なんていうのもいいかもです。
家賃分ぐらい稼げれば、などと甘く考えてますが、商売はそんなに簡単なものやないで!!と怒られそうです。何処でやるかは、まだ実現してないので言わない方がいいのですが、尼崎の廃れた某市場とだけ書いておきます。空き店舗を安く借りられるのです。いずれにしても、商店街好きな私らしい選択だとお笑いください。
それから、東北被災地の応援・支援も忘れてはいません。店をオープンしたら、被災地の商品を置きます。生ものは難しいので、缶詰やお菓子、また被災地で復興のために開発された商品など。(写真は石巻専修大学の石原ゼミが地元の飯野川地域で見つけた「サバ出汁」を使った「サバだしラーメン」とそのカップ麺です。好評発売中!)
釜石での復興まちづくりのお手伝いももちろん続けます。今年度は、昨年の8月に試験的に実施した「釜石大学」を本格的にやります(2014年10月号、コラムNO.86)。いろんな大学の先生方にも声をかけて、夏休みのゼミ活動を釜石でおこなってもらおうと準備中です。給与も研究費もなくなるので以前ほど簡単には行けませんが、現地で国や自治体の復興事業補助金を取ってもらう予定です。
そんなこんなをやっていると、たぶんリタイア生活もしっかり時間が潰せるでしょう。商いで飽きないで、なーんちゃって…。
今回が最終回になりました。92回もよく続いたものです。ちょっと自分を褒めてやろう。みなさん、長い間ありがとうございました。また、紙面でお目にかかれることを楽しみにしています。
〜お知らせ〜
約8年間に亘り連載いただき、皆さまから大変ご好評をいただいてきた三谷真先生の「商店街よもやま話」は、今号を持ちまして連載終了となります。三谷先生、これまでありがとうございました。今後は不定期での掲載予定です。
なお、過去の連載のバックナンバーは、市商連ホームページにて閲覧可能です。
(2015.4月発行) |
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