■釜石大学、来年もやります
(NO.86)
釜石大学夏期セミナー案内チラシ
家から15分ほどの徒歩圏内に、病院、役所、銀行、集配郵便局、銭湯、商店、ドラッグストア、コンビニ、飲食店、居酒屋、お洒落なジャズ喫茶があるので、まさにコンパクトシティで、さらにはウォーカブルタウン(walkable town)ということになります。坂道もあまりなくて、高齢者にも住みやすいです。職場もこの圏内にあれば言うことありません。しかも最近、イオンのスーパーセンターもできました。そこには複数のファストフード店(マクドではなくてモスが!)、100円ショップ、ユニクロも入ってます。ないのは映画館とカラオケぐらいでしょうか。岩手県は釜石市の中心市街地の話です。
ひと月の滞在で不便を感じることはありませんでしたが、少々物足りなかったのも事実です。徒歩15分というと、自宅からだと高速長田ぐらいまでの距離ですから、その範囲の中での生活ということになります。さほど釜石での生活圏と違いはなさそうですが、物足りなかったのは、雑踏やまちの賑わいなのか、あるいは三宮や元町といった繁華街なのか、いずれにしても、この歳で新しい場所で生活することのしんどさや、まちで生きるということの意味を改めて考えさせられたひと月でもありました。
復興釜石新聞に載りました
さて、釜石で8月の後半は何をしていたのか。被災地の現場で復興の現状と課題を考えようと「釜石大学」なるものを勝手に立ち上げて、全国からいろんなグループが釜石で勉強するという計画だったのですが、準備不足もあって今年は「夏期セミナー」という設定で、神戸から講師を招いていくつか講座を開きました。主催は神戸復興塾とこのコラムでも何度か出てきた釜石のNPO法人@リアスNPOサポートセンターです。実行部隊には、震災の年から応援に入っている甲南女子大のT先生率いる甲南女子大と奈良女子大の女子大生チームが来てくれました。
26日から始まった講座は、地元の中学生(@リアスが世話をしている「子供まちづくり倶楽部」のメンバー)6人が参加してくれた「商業モールの模型製作」。私のゼミOB(神戸電鉄勤務)とその同僚が講師を務め、地元の南三陸鉄道の鉄道マンも参加してくれた「鉄道まちづくり講座」。復興塾の塾生で、何度も釜石を訪問している大阪市で道路行政を担当していたTさんによる「道路行政講座」。甲南女子大チームによる韓国・インドネシア・フランスなどの言葉と文化を学ぶ多文化講座。奈良女子大チームによる「地域ブランド・釜石スイーツ」を考えるワークショップ。
30日の最終日には、午前中は女子大生チームが釜石保育園で園児・保護者との交流会を行い、午後からはやっぱり女子大生チームによる「多文化屋台」で、たこ焼き・ちぢみ・インドネシアの焼きそばミーゴレン・クレープを地元の人たちに振る舞いました。〆は、別のイベントで釜石に来ていた岩手大学、東京芸術大学、九州大学の学生たちとの交流会でした。
釜石大学設立の目的が達成されたかどうかは大いに疑問ですが、地元の中学生から行政マン・鉄道マンも参加してもらって、ひと夏の滞在も無駄ではなかった。ということにしておいてください。釜石での交流人口を増やすためにも、来年はもっと本格的に、6月には開校式、8月に夏期セミナー、11月には秋期セミナーをやります。今から準備を始めます。このコラムでも講師や講座開催のお願いを載せますので、その時はぜひよろしくお願いいたします
(2014.10月発行)