活動内容詳細
NO.13 (2018.6月)
  • 全国商店街支援センターの「繁盛店づくり支援事業」を十分活用するための支援。

  • 吉川 健一郎(水道筋商店街)

平成29年度「地域商業活性化支援事業(3年計画型)」採択団体である水道筋商店街協同組合は、昨年度から【交流観光イベントプロデュース、繁盛店づくり、水道筋出版・放送局、タウンマネージメント組織の設立】に取り組んでいる。

 

その中の【繁盛店づくり】の実現のために、同商店街に応援隊として派遣されているのが応援隊の吉川さんだ。

 

水道筋商店街(協)の津村理事長は「これまで賑わいを生み出すために様々なイベントを開催してきた。イベントは飲食店の集客等に即効性があるが、商店街が生き残っていくためにはそれでだけではいけない。今後は物販店のテコ入れが必要」と【繁盛店づくり】の必要性を訴える。

 

●「繁盛店づくり支援事業」(株)全国商店街支援センター

そこで挑戦を始めたのが「繁盛店づくり支援事業」の実践コース。商店街内に、高い集客力と販売力を持つ核店舗をつくり、その波及効果で商店街全体の繁栄につなげることを目的としている。

 

支援センターから派遣された専門家が商店街に出向き、依頼を受けた店舗の状況に合わせ、売上向上に向けたアドバイスをする。その内容は、ディスプレイやPOPの設置法、店内レイアウトや回遊性、仕入れや在庫状況等など多岐に亘る。

 

●吉川さんのサポート内容

個店が事前に専門家に提出するプロフィールシートの作成と、専門家の臨店指導日に立ち会うサポートを行った。吉川さんは当事業のポイントを「何かしないといけないと思ってはいるけど、何から始めていいのかわからない。日々の忙しさでなかなか取り組めていないといった人たちの背中をそっと押すきっかけとなること」だと言う。

店主自身が目的とやるべきことを明確に自覚して、納得した上で「繁盛店づくり」に取り組めるように、吉川さんは店舗に寄り添い、一緒に考えた。

 

●「繁盛店づくり」の成果

これまでの2年間で、物販店や飲食店の計6店舗が指導を受けた。その結果、売上向上や店内回遊性の改善等の成果が得られた。

その中のある店(他地区に支店あり)は、指導を受けて店内通路のレイアウトやPOPを変更した結果、全店で一番の売上をあげるまでに改善され、従業員の意識向上にもつながったという。飲食店では、それまで人気だと店主が思っていたメニューよりも意外にも他のメニューの売上が高いことがわかって驚いたそうだ。

各回の臨店指導内容とその結果は、商店街内で共有され、全体へ波及させることも目的となっている。

 

●成功の理由

第三者から自店の課題を指摘されることは辛いことだ。しかし指導を受けた各個店は、どうにか店を改善したいという思いでそれを乗り越えたのだ。

津村理事長は「専門家に聞きづらいことを吉川さんに確認することができたり、専門家からのアドバイス内容を吉川さんが噛み砕いて個店側に説明してくれたのでより大きな成果が得られた」と喜ぶ。水道筋商店街は今年度、参加店舗を募り、決定次第3年目の本事業を実施する。

吉川さんは水道筋商店街(協)で培ったノウハウを活かして、今年度、長田神社前商店街でも「繁盛店づくり」のサポートを行う予定。