活動内容詳細
NO.29(2021.1月)
  • Withコロナの今に仕掛ける商店街活性化

  • 松尾 良彦 (平野商店街)

令和2年7月より松尾さんは平野商店街の支援を担当。

同商店街では、後継者不足による廃業等により商店街組合員数とポイントカードのクラブ会員数が年々減少している。そのため、毎月恒例の「いちきん」セールや歳末ガラポンの訴求力減少が懸念されてきたが、今年はさらにコロナ禍の影響が大きくなっている。

 

■非対面・密にならない取り組みに挑戦 

組合員から現状の問題点をヒアリングして、松尾さんは下記の取り組みを提案している。

 

 

 

①ご当地キャラ「きよもん」を活用したオフピーク誘客動画制作

平清盛をゆるキャラ化したきよもん。この人気キャラを活用してYouTubeチャンネル『きよもんTV』を開設。

動画発信をするという計画だ。動画更新の際には、情報発信ツールとして頻繁に更新をしているtwitter (@hiranokiyomon)やFacebook等のSNSで情報拡散する。

単なる商店街広報動画ではなく、動画内で伝える「合言葉」を来店特典として、店舗の売上に繋げる案を松尾さんは考えている。

 

元々あるものを使って新しい分野に挑戦し、さらなる価値を生み出そうというのが松尾さんの提案のポイント。動画は、初心者でも簡単に編集ができるように、スマホのiPhoneと三脚、安価な編集ソフトを入れたPCだけで制作する。松尾さんのサポート終了後、商店街の方々が自力で更新ができるようにするためだ。

 

②GoTo平野商店街

お客様が「密」になるイベント開催が不可ならばその逆を、ということで生み出したのが「オフピークスタンプラリー」。

閑散とする時間帯の来店を促進すれば、密な状態を作らずに客数が見込めるというアイデアだ。

松尾さんが同商店街に限らず、支援団体に呼びかけているのは、積極的なプレスリリース。神戸市のホームページにあるひな型を使って神戸市政記者クラブ23社に情報提供する方法を伝えている。

 

■裏方に徹する

松尾さんは企画や提案の支援以外は「裏方」に徹している。その目的は「商店街の皆さんに当事者意識が生まれ、その結果良いものが作れる」からだ。

「平野商店街の皆さんは理知的な方が多くて議論が活発。これから目指すべきは、理屈で考えずまずは動いてみるということ」と松尾さんは話す。

松尾さんから平野商店街会議で提案した内容は承認され、企画準備を進めることとなった。コロナ禍が落ち着く頃に本格稼働する予定だ。

 

■コロナ関連補助金申請

組合員からの要望を受けて、補助金に関する勉強会を実施。持続化給付金や家賃給付金の未申請店舗の相談に対応した。

また、平野商店街を1事業者として持続化給付金を申請。賦課金免除にした分を収入5割減として給付金を申請。無事認定が下りて給付金を受給できた。

「実際に売り上げが半減したら個店はその場でもう経営を継続できない。コロナ禍で個店は本当に厳しい状況にある」と松尾さんは各店の窮状を実感している。

 

■他の活動

メルカロード宇治川(宇治川市場商店街連合会・中央区)では感染予防対策実施状況と各店舗の情報発信を行う動画を掲載した特設サイトを作成。高齢の商業者が多く、古き良き商店の街並みを「財産」と考え、映画ロケ地誘致計画などの支援も行っている。