活動内容詳細
NO.28(2020.11月)
  • 地域商業を戦略的に活性化する

  • 吉川 祐介 (三宮本通商店街)

個店の経営改善やまちづくりのサポート経験が豊富な中小企業診断士の吉川さん。昨年から応援隊員に加入し、多くの商店街から派遣依頼を受けて活動している。商業者の要望を丁寧に聞き取り、マーケティング戦略の策定と実践を進める方法が好評を得ている。

 

■商店街にラウンジを設置

地域商業活性化支援事業(3年計画型)を利用して活性化を進めている三宮本通商店街にラウンジが開設する。常勤スタッフを置いて地域との交流の拠点として稼働する予定だ。経営の視点で事業化を図り、補助金終了後も自力運営ができるように、セミナーなどの収益事業を行う準備を進めているのだが、この事業内容の決定や規約作成を吉川さんは支援している。

 

ラウンジ。オープンキッチンがあるため料理教室の実施も可能

 

商店街にとって前例の無いことを実現するには、理事会で様々なことを決定しなくてはいけない。吉川さんは「商店街の皆さん全員が理解して納得していただくには工夫が必要。新しい分野の話し合いをする際には、全員がわかる言葉に置き換えて説明したり、理事会の前段階で説明に回ったりしている」と合意形成のポイントを話す。

 

■コロナ禍の影響

外出自粛の影響で、商店街で予定されていた取り組みのいくつかが頓挫してしまった。空き店舗の増加が進んでいるのも懸念事項だ。

緊急事態宣言解除後、夏になってから吉川さんが原田理事長と各店をまわって現状をヒアリングしたところ、予想以上に事態は深刻であることがわかったため、各種補助制度を活用するなどして、経営支援を吉川さんは行った。

ピンチ脱却のためにすぐ動き始めた店も多い。吉川さんはそれらの取り組みが成功するように事業計画書に落とし込み、戦略的に経営することを呼び掛けている。

 

■商店街の方からのお声

三宮本通商店街の新理事長(11月から就任)の髙井学さんとこれまで長年理事長を務めた原田健一さんは「吉川さんは専門知識が豊富で実行力がある。他地区の先進事例をよくご存知でそれらを参考にしながら地域に合った取り組みの進め方を教えてくれる。理事会が円滑に進行できるようなサポートと的確なアドバイスが助かっている」と感謝している。

 

■他の商店街での活動

同じく地域商業活性化支援事業(3年計画型)を実施しているトアロード中央商店街にて、

効果的な事業計画の策定から実行支援を担当。数値計画をふくめ将来を見据えた視点でアドバイスを行っている。

 

 

 

三宮本通商店街のシンボルである緑化壁面(芽ぐみの壁)前で毎月野菜販売イベント「グリーンマーケット」を開催している。

コロナ禍の営業自粛で一時休止していたが再開後10月に内容を一新。

トルコ名物鯖サンド(セントラルツアーズ)、新鮮生絞りジュース(木村商店)、産地直送野菜(神姫バス「バスの八百屋」)などを販売し、多くの通行客が足を止めていた。