まちと人をデザインする
- 横山 宗助(エルナード水道筋)
2011年まで商業デザインの仕事をしていた横山さん。転機は東日本大震災だった。
日本全国が自粛ムードの中、芸能人たちが「上を向いて歩こう」を歌い被災者を励ますサントリーのCM、九州新幹線開業を喜ぶ沿線の人々が新幹線に声援を送るJR九州のCMに強い感銘を受けた。
まちをつくり、人を動かすデザインがやりたいと一念発起。神戸市の神戸おこしプロジェクトに参画したことをきっかけに、応援隊員として活動することになった。
■水道筋商店街 チャレンジショップ開業サポート
昨年9月からサポートを開始した。任務はチャレンジショップに入居する起業家集めと育成の支援。
商店街が独自に行っていた折込チラシや掲示ポスターでは応募者が集まらなかったところ、横山さんは「10件の問い合わせを集めます」と宣言。見事にそれを実現して『福の神』となった。
横山さんが提案したのはフェイスブックの投稿と新しいポスターの作成。
店舗開業希望者は必ずWEBで店舗情報を探す。多額のコストをかけなくても、投稿を見た開業希望者たちが自ら問い合わせしてくるのだ。
ポスターにも反響があった。横山さんはその勝因を「デザインの力」と分析する。色や形で目立つデザインではなく、お客様が必要とする情報(店舗家賃や敷金、商店街会費額等のコストや店舗面積)を明確に記載する「サービスデザイン」の考えで作成したのが功を奏した。
■3店舗が営業開始
2020年7月現在、チャレンジショップは3軒(陶器販売店、餃子販売店、カフェ)が営業している。
商売のプロである商店街の皆さんが店舗運営アドバイスをして、横山さんは募集や起業家支援の仕組みづくりという後方支援に徹している。
■商店街の方からのお声
同商店街理事長の永井さんは「横山さんは、デザインと起業家支援の経験を駆使して開業希望者を集めてくれた。商業者の思いに寄り添い、丁寧に優しく接してくれる人柄が好評。補助金申請支援もお願いしたが、説明がわかりやすくありきたりでない提案をしてくれるので助かる」と絶賛する。
横山さんは、必ず最初に商業者と話し合う場を持つ。「考えを整理してやる気を引き出してから取り組むと大きな事業効果が得られるから」だ。
■他の商店街での活動
水道筋1丁目商店街では、やる気に溢れた商業者を集めて取り組みを開始。周辺住民も取り込み、まちの特長をPRする動画作成が予定されている。
■兵庫県の起業家を支援
応援隊員活動と並行して、起業家支援と交流の施設である「起業プラザひょうご」のコーディネーターも担っている。9月1日から同施設は居留地の三井住友銀行神戸本部ビル2階に移転。さらなる活動の幅を広げる。(三井住友銀行 神戸営業部は市商連の賛助会員)
■エルナード水道筋(水道筋商店街)チャレンジショップ3店舗 奮闘中!
国産食材使用の「元祖コソラ餃子」は味噌だれのほかに、塩レモン(レモンは淡路島産)をかけて食べるのがこの夏のおすすめ。イートイン可。
ろーず・でぃんぶら
紅茶コーディネーター、コーヒーマイスター、コーヒーインストラクターである西友美さんが淹れ方のレクチャーや、カフェイベントを開催しています。
よかろうもん 波佐見(はさみ)
長崎県東彼杵郡波佐見町で生産されている陶磁器「波佐見焼」の展示販売店。店主が定期的に長崎に仕入れに行くため営業日は不定期です。
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