コロナ禍のピンチをITとSNSの活用で乗り越える!
- 武田 共世(南京町商店街)
■神戸を代表する観光地の南京町が一変・・・
緊急事態宣言発令によって都道府県を越える移動や商店街の営業が自粛されることになった。その結果、平日休日を問わず観光客でにぎわっていた南京町商店街が静まり返ってしまった。この大ピンチを乗り越えるため、武田さんが派遣された。
武田さんがまず南京町の皆さんと始めたのはWEB会議ツール「Zoom」の提案。双方にインターネット環境があれば、多忙な商業者も会議に参加できる。それから週に2回のペースで会議が重ねられた。
「南京町の皆さんは提案が活発で行動が迅速。新しいことに挑戦していこうというやる気が素晴らしい」と武田さんは感じている。
会議で決定した解決の糸口は「SNSの活用」。
更新ができずに放置されていたSNS(Facebook、Instagram、YouTube)を使い、南京町に来られないお客様たちに向けてのPRが始まった。
「今は『南京町に来てください』と言えない状況。忘れられないためにも、応援してくれるお客様たちとSNSを介して交流をしながら情報発信をすることが大事」と武田さんは話す。
■SNSで仕掛けるファンづくり
南京町が発信するキーワードは料理と文化。
南京町の持つ豊富な魅力の中からこの2点に焦点を当ててYouTubeで動画を発信している。
南京町の美味しい料理を自宅で再現できるようにレシピと調理の様子を公開する『おうちで南京町』。
各店主が華麗なヌンチャク技を披露する『ヌンチャクリレー』は、INAC神戸レオネッサの女子サッカー選手等にも波及して盛り上がっている。
また、InstagramやFacebookでは、南京町広場からの生中継も実施して話題になった。
ふだんは、SNS活用方法を伝授する勉強会講師依頼を受けることが多い武田さん。今回は武田さんから学んだ商業者の皆さんがすぐにリアルタイムで発信している。このスピード感。「今」を伝えることができるSNSならではだ。
YouTubeの南京町チャンネル登録者は、コロナ以前は数人だったのに、コロナ後はなんと1,000人を超えた(6月上旬現在)。
■商店街の方からのお声
南京町商店街の劉繕雲(りゅう・ぜんうん)さんは「武田さんが来てくれて世界が変わった。反響の大きさに喜んでいる。まちの魅力の何をどう発信すればいいのかわからなかった私たちと一緒に動いて道筋を作ってくれている。私たちが将来自立できるようにアドバイスしてくれるので助かっている」と大絶賛している。
武田さんが派遣されることになったきっかけはコロナウイルス感染拡大であったが、南京町は神戸を代表する観光地であるので、情報発信はもはや必須。観光客だけでなく地元神戸の人々にも改めて南京町の魅力を知ってもらいたいとの思いで取り組んでいる。
コロナ感染拡大の第2波、第3波を見据えて、リアルな店舗の対応とWEBでの対応の両面の準備が進められている。
■他の商店街での活動
水道筋商店街の「つまみ食いツアー」の運営サポート、三宮センター街1丁目商店街のSNSキャンペーンサポート等を行ってきた。