商店街・市場 応援隊派遣事業 意見交換・事例紹介・交流会
5年目を迎える本事業でこれまで派遣された応援隊員の支援活動によって、派遣団体が活性化の糸口を掴み始めた、問題が解決した等の成果が上がっている。
しかし一方で、なかなか空き店舗対策が進まないことが商店街の共通課題となっている。商売を始めたい人の希望と、商店街側が希望する業種・人のマッチングがうまくいかないのが現状だ。
そこで最近、全国的に話題になっているコミュニティビジネスやソーシャルビジネスと呼ばれる新しい形のビジネスを目指す起業家の人たちとの連携に目を向けて、応援隊員が意見交換を行った。【11月19日(火)於:神戸市産業振興センター】
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意見交換会に先立ち、コワーキングスペース(起業を目指す人が集い、情報収集や交換を行い、コーディネーターから支援を受けることができる)運営に携わっている応援隊員の横山宗助さんからソーシャルビジネスの現状についての報告があった。
「ソーシャルビジネスとは、社会的な課題を解決しながら行うビジネス。このスタイルの起業を検討している人は多い。社会のネガティブな問題(高齢化、介護問題など)を前向きなグッドアイデアで変換をして楽しいビジネスに繋げている。その実現の場として商店街の空き店舗利用の可能性は高い」
①意見交換会
会は架空のA商店街を設定し、検討テーマに沿って意見交換をする形をとった。
検討テーマ:空き店舗対策としてA商店街は起業を希望する人に対しどうアプローチするのか
以下、主な意見⇒
・空き店舗活用によって、地域社会と連携して課題解決を目指す「コミュニティビジネス」「ソーシャルビジネス」の機会創出の可能性がある。同時に商店街の活性化につながる。
・商店街の活性化事業として行う場合、神戸市と兵庫県の様々な補助制度をうまく活用したい。頑張る団体を行政は応援してくれる。
・商店街イベントを開催することで、来場者が「この街に住みたい、この街で起業したい」という思いを育むきっかけづくりになるので、起業家と出会える可能性がある。
・商店街加入における会費と会議等の出席時間、過去のイベント開催の効果の測定結果を募集と併せて明示しておくことが双方のために必要。
・広告媒体は、起業家の視点に合わせた媒体を選ぶ必要がある。商店街の魅力と支援体制がしっかり伝われば、「自分ひとりで開業するよりも上手くいくかもしれない」と感じてもらえる。
・契約を交わす前に、商店街の定款・会則・規約の見直しが必要。また年一回程度は会員全員の連絡先の更新と所在確認を行うという決議を取っておくと良い。
・インターネット上で集客・販売が完結する商売スタイルが増えてきたので、商店街活性化のためにはお客様が来店する業種の店舗を誘致したい。
・子育て家族が増えている地域では、子育てがひと段落したお母さんたちが出店(手作りアクセサリーやアイスやクッキー等の販売)すると集客効果が期待できる。
②市場の現状・派遣事例紹介
神戸市小売市場連合会の小林事務局長から市場の現状について説明があり、続いて林直樹(中小企業診断士)さんからNAGATA食遊館(長田公設市場㈿)の支援活動事例を紹介。現状のお客様来店状況の分析を行い、消費喚起支援事業を活用して特売チラシの記載内容改善に取り組んだ結果、客数増加の成果をあげたことを報告した。