■仮設商店街を巡ってきました  (NO.58)

南三陸さんさん商店街のフードコート
 連休を利用して宮城・岩手を回ってきました。仙台から北上して、塩釜、松島、東松島、石巻、女川、雄勝、南三陸、気仙沼、陸前高田、大船渡、釜石、宮古、田老と8泊9日の旅です。仙台までの往復でレンタカーの記録では1000Km走ってました。今回の目的のひとつはできるだけ多くの仮設商店街を訪ねることでした。以下、今回行けた主な仮設商店街です。
塩釜 しおがま・みなと復興市場
石巻立町復興ふれあい商店街
南三陸さんさん商店街
女川きぼうのかね商店街
雄勝おがつ店こ屋街
気仙沼福幸小町田中通り商店街、福幸小町田谷通り商店街、東新城かもめ通り商店街
大船渡夢商店街
大槌福幸きらり商店街

▲夜の復興屋台村気仙沼横丁

▲木製デッキのおおふなと夢商店街
 その他、気仙沼と大船渡では屋台村も見てきました。女川ではたまたまオープンの日に遭遇し、そのオープニングセレモニーを見ることができました。ここはアメリカの水産会社や救世軍からの援助もあり、平屋作りで木造の仮設店舗30店と国からの補助によるプレハブ仮設店舗20店が、2014年に閉校する女川高校グラウンドに作られています。瓦礫の中から見つかった、JR女川駅の駅前にあった『からくり時計』の鐘が商店街のシンボルです。敷地も広くゆったりしていて、郵便局・銀行、派出所もあるので、仮設ではありますが女川の新しい中心地としての役割を担うことになりそうです。
 それぞれの地域の事情によって、敷地面積や区画数・店舗数は異なっていますが、後からできた仮設商店街のほうがいろいろと工夫ができています。おおふなと夢商店街(31店舗)は、敷地が水平でないために木製デッキで嵩上げしているのですが、それが商店街の一体感と温もりを演出しています。ここを見た気仙沼復幸マルシェの塩田さん(2012年3月号No.55を参照)がえらく悔しがっていたそうです。
 南三陸さんさん商店街では、真ん中に広場と全天候型のフードコートがあって、いろんなイベントができそうです。ここは、他と同じく中小企業基盤整備機構の事業を活用していますが、プレハブ2階建てではなくユニットタイプの建物を使用し、5500平方メートルの敷地に飲食店や菓子店、衣料店など30店が並びます。仮設で2年間だけというのはもったいないぐらいで、何年かここで頑張って次のステップに進むのができるような施設です。ここをずっと支援している新長田の伊東さん(アスタ四番館、お茶の味萬、NHKスペシャルにも出演!!)も同じ事を言っておられました。

女川の木造仮設店舗
 ようやく出揃った被災地の仮設商店街。そこでの営業再開を断念したお店もたくさんあります。でも、仮設を作ることが目的ではありません。今からがスタートです。商売ができる喜びを噛みしめながら、もう次の話をしなければなりません。元の場所で商売を続けられない商店のほうが多いでしょう。まちの復興計画もまだ多くの課題を残している段階での将来構想ですから、困難なことはたくさんあります。ひとつでも多くの商店街が再生・復興できるためには、解決すべきどのような課題があるのでしょうか。また、改めてじっくり考えましょう。
(2012.6月発行)