■気仙沼へ行ってきました
(NO.55)
さかなの駅 なぜか焼き鳥屋が、、、
宮城県気仙沼市の「さかなの駅」と「復幸マルシェ(復幸市場)」を見てきました。
さかなの駅は、津波で全壊した気仙沼水産物流通センター(気仙沼市弁天町)に入居していたマグロ専門店や鮮魚店など9社による共同商業施設で、昨年の12月10日にオープンしました。カメイ株式会社
(注1)
の食品流通センターを使い、鉄骨平屋で駐車場50台、約620平方メートルの売り場面積のいわば食品スーパーです。入居しているのは鮮魚店が6店、野菜・果物、酒屋、肉屋が各1店ずつです。建物については九社が出資し設立した「さかなの駅株式会社」が管理を担当し、共同の販促事業や運営については同じ9社で構成された「気仙沼水産地域振興組合」(法人格を持たない任意団体です)が行うことになっています。
▲さかなの駅での意見交換
▲復幸マルシェ 左の1棟はもう営業を始めている
設立に尽力されたさかなの駅(株)の小野寺勉社長(鮪専門店の(株)カネマの社長)といろいろお話もしました。小売経験のないお店も多く、さらには共同化も初めての経験なので、店舗の配置や共同の事業などについて問題ばかり多くて大変なんです、とのこと。この4月には現在の振興組合を協同組合化して法人格を持つ予定で、それまでにいろんな課題を整理したいのでご協力よろしくと言われましたので、さっそく2月の土日に知人の商業コンサルタントにお願いして一緒にお店を見てもらい、組織のあり方や店舗配置について意見交換をしてきました。次回は3月の中旬に社長会(=組合の理事会)で勉強会をすることになりました。一番の課題は、みんなが同じ方向を向いて頑張れる体制と意識づくりです。
復幸マルシェは、壊滅的な被害を受けた漁港の北に位置する鹿折(ししおり)地区で、民有地約3300平方メートルを借り受けて、軽量鉄骨2階建て3棟をコの字形に配置(中央部分は駐車場)した仮設商店街です。食を主とした18店舗が入居予定ですが、2月15日段階では、まだ1棟だけが営業開始で、2棟目が完成、3棟目は建設を始めたばかりで、3月11日のグランドオープン目指して突貫工事中です。
発起人で仕掛け人は、気仙沼では名の通ったうどん店「団平」の塩田賢一さん。何にも無くなった鹿折を見捨てることはできない。ここでやる気のある商人を集めて、地域の拠点を作るんだ、と連日連夜走り回っています。地権者との交渉も、瓦礫撤去されてはいたけど、整地もされていない土地を重機の免許を自ら取ってきれいにしたのも塩田さんです。
欽ちゃんと 右端が塩田さん
今回の被災地で元気な人はたくさん見てきましたが、これほど馬力のある熱い人は始めてです。釜石だけでなく気仙沼の商業者の応援もしようと心に決めた今回の気仙沼行きでした。
余談を二つ。気仙沼でももちろんおいしい魚を食べました。カネマさんが卸しているお寿司屋さんで食べたマグロは絶品でした。もちろん生です。こんなの食べたら、もうこちらではマグロは食べられません。地元ではそれが当たり前だとすると、鮮魚の小売はどんな付加価値を付ければいいのでしょうね。
オープンした団平に萩本欽ちゃんが来てました。テレビ番組の収録の帰りだったそうです。とても気さくないい人でした。
注1:
1903年に宮城県塩釜で創業された会社で、現在は仙台市を拠点とする総合商社。石油・LPガスなどエネルギー関連を中心に、食料品や酒類・住宅・損害保険・薬局などの事業を展開している。
(2012.3月発行)