■神戸と東北  (NO.54)

東北復興トークマラソン
 この原稿を書いているのは1月の15日です。17日には阪神淡路大震災から17年が経ちます。改めて、亡くなった方々のご冥福をお祈りします。
 14日には東北からのメンバーを迎えて、長田区で二つの催しがありました。ひとつは「被災地市民交流会」が主催する「東日本復興トークマラソン」で、元松島町の副町長と南三陸町志津川から3名が来てくれました。もうひとつは神戸復興塾が主催した「まちづくり勉強会」で気仙沼と石巻と山田町から総勢11名が来てくれました。
 まちづくり勉強会の方は、御蔵通りの「みくら5」(注1)の集会室でそこを管理するボランティア「まち・コミュニケーション」の顧問で元御蔵通五・六・七丁目まちづくり協議会会長の田中保三さんから、御蔵通りの復興まちづくりについてお話を伺いました。神戸ではあたり前だったまちづくり協議会の作り方や運営の方法、役所との付き合い方などについて意見交換をしました。夜は旧二葉小学校跡の市立地域人材支援センターで行われているトークマラソンに合流し、遅くまでこれからの被災地復興のあり方について議論を深めました。

▲こうべあいウォーク2012

▲長田区大正筋の七福
 15日の午前中は「こうべあいウォーク」(注2)でした。今回は前日の東北メンバーも交えて総勢120名ほどで鷹取大国公園から御蔵通りのみくら5まで、鉄人28号を観て商店街を通り、シューズプラザや衣笠公園を、復興塾のメンバーや地元の有志からの解説付きで歩きました。途中丸五市場ではぼっかけコロッケや西村さんちの焼き鳥、市場で用意してくれた甘酒や昼前から飲む今井やんの焼酎に舌鼓を打ちながら、ゴールを目指しました。みくら5ではまち・コミのメンバーが用意してくれた、復興塾塾長が丹波で育てた野菜たっぷりの豚汁が振る舞われました。とても美味しかったです。
 私は寝坊したのでちょっと遅れて参加。丸五市場に行き着くまでに、お腹が鳴ってきたので、同じ腹減らし仲間4人と大正筋の「七福」(アスタくにづか四番館1階)へ。あったか昆布うどんでホッと一息。ここのうどんはいわゆる関西風のやわらかい麺でしかも細麺なのでツルツル入ります。そして、何といってもお出汁がおいしいので、最後の一滴まで飲み干してしまいます。ここの店主さんは時々丸五の今井やんで出会う焼酎友達。この新聞もよく読んでくれていて、「店の記事書いてー」なんて言われます。そのうちちゃんと取材して書きたいと思いますが、七福さん、今回紹介しておいたからねー!!
 神戸の場合は、バラバラに散った人が元の場所に住むにはどうしたらいいのかが大きな課題でしたが、東北では高台移転や集団移転など、住むところがまだ決まらないという状況のなかで、仮設住宅で生活しながらまちづくり協議会を作るところから始めなければなりません。さらに、仕事の再建も大きな大きな課題です。ひとつでもふたつでも神戸の経験を学んでもらって、それがこれからの東北被災地の復興に少しでも役に立つならば、今回の催しも意義があったということになるのですが。

注1:
1999年の12月に完成した長田区御蔵通の共同再建住宅
注2:
米国の「エイズ・ウォーク」を真似て神戸復興塾が中心となって1999年から始めたまち歩き。3回目までは鷹取の大国公園から三宮東遊園地まで歩いた。3回で合計7000人を超える参加者と約700万円の募金を集めた。その後も毎年欠かさず1月17日直近の日曜日に有志で続けている。
(2012.2月発行)