■青葉公園仮設商店街がオープンしました  (NO.53)

▲青葉公園仮設商店街テープカット

▲青葉公園仮設商店街新聞広告
 2012年になりました。「明けましておめでとうごさいます」と大きな声では言いにくいですが、東北の被災地が少しでも明るくなることを願って止みません。いい年になりますように。
 さて、11月25日に釜石の青葉公園仮設商店街が無事にオープンしました。5棟35区画の仮設店舗に33店舗が入居予定でしたが、10店舗余りからのスタートになりました。只越商店街からは片倉家具、玉泉堂(和洋菓子)、えさし理容、釜石ちくさん、桑畑書店、光陽写真の六店が営業再開です。年内には、ほぼ全店舗が出揃う予定です。
 午前9時から始まったオープニングセレモニーには、市長も駆けつけて挨拶があり、関係者によるテープカットも行われました。テープカットの予定者が用事で直前に姿を消したのでなぜか私が呼ばれ、嬉し恥ずかしながらテープカットをさせていただきました。これも何かの縁でしょうか。(その時の様子は次の朝のニュース番組で放映されました。)
 商店街の広場で只越おはやし連による太鼓と笛が鳴り響く中、午前中の早いオープンでしたが、お客さんがぼちぼちとやってきます。玉泉堂さんは広場で餅をついて、きなこ・黒ごま・あんこ(注1)をまぶして販売再開です。来る人来る人買って帰ります。寒い日でしたが、お客も店主もみんなニコニコしています。
 あたり前の話ですが、商売には店舗が要るのです。そこに行けば店がある。商人(あきんど)が居る。相談事のために、いちいち避難所や仮設住宅から駆けつける必要もありません。店に入るといつもの顔がある。それが商店街だったのです。そんなことを改めて噛みしめた日でした。

▲只越おはやし連

▲釜石のモロゾフのお店
 この仮設商店街は2年間の貸与です。その間に次の準備を始めなければなりません。復興計画がまだ決まってない中、ホテルやコンビニ、スポーツ用品店などすでに元の場所で再開したお店もあります。あるいはいち早く盛岡など内陸部に移ったお店もあります。釜石の中心市街地で商売を続ける気のある商業者たちが、今後の商店街の構想を具体的にどう練るか、それが大きな課題です。
 新しく集約していくのが一つの方向ですが、大型スーパーを誘致する、なんていう話(噂?)も聞きました。スピードも重要ですが、決して拙速になることなく、いくつかの選択肢からベストな道を選んで欲しいものです。そのために、微力でもお手伝いができればなぁ、と思う新年であります。

 余談ですが、青葉公園仮設商店街から車で数分の所にある、天神町の仮設住宅団地内の仮設商店街「復興天神15商店街」に「モロゾフ」という文字を発見。思わずそのお店に入りました。祖母が関西で、釜石で30年モロゾフを扱っているとのこと。(コーヒー豆はUCCでした。)神戸から来たと言うと、「分かってもらえて」とうれしそうでした。釜石で見つけたモロゾフのチョコレート。もちろん、買いましたよ、クリスマス用の緑と赤の缶入りのを二つ。

注1:
このあんこ、私の友人で高校の同窓生の内藤豊彦氏(株式会社内藤製餡社長)に頼んで送ってもらったものです。支援を快諾してくれた内藤氏に記して感謝いたします。ありがとう。
(2012.1月発行)