■東北支援を考える その1  (NO.56)

全店舗が営業を始めた青葉公園仮設商店街
 東北の悲劇から一年が経ちました。「はや一年」なのか「まだ一年」なのかは人によって違うのでしょうが、瓦礫処理の遅れや国の対応のやる気のなさ・まずさ・遅さをみていると、復興への道のりは「まだまだ」と感じるのは私一人ではないでしょう。では、私たちには、これからどんな支援ができるのでしょう。思いつくまま書いてみます。
1、まずは、どこでもいいですが、気になる所へ行く、見る、そして現地でお金を使うことです。
 何か物見遊山で被災地に行くのは憚れるような気がしますが、そんなことはありません。
 被災者がつらいのは、私たちが被災地のことを忘れることなのです。17年前の私たちもそうでした。私は家族とともに、同じ長田区の丸山の両親宅に一時避難していましたが、そこで見るテレビの中では、震災なんかなかったように普通に会話し笑っているのです。地震からわずかしか経ってないこの時期になんで?という違和感でテレビを消したのを今でも鮮明に覚えています。だから、時間が許せば被災地へ足を運んで、気持ちが繋がっていることを大いに見せるのです。神戸から来た、と言うだけで、ああ遠いところをご苦労さん、ありがとうと喜んでくれます。

仮設呑ん兵衛横丁
 そして、現地では、すでに仮設の商店街や飲み屋街が立ち上がっていますし、お店が復旧しているところもありますので、そこでお金を使うのです。例えば、釜石なら駅前の鈴子公園で仮設の「呑ん兵衛横丁」ができていますので、地酒の浜千鳥とおいしい魚を楽しんでください。ただし、6人も入れば一杯になるので、早めに行くことをお勧めします。青葉通りには仮設商店街(青葉公園仮設商店街)もありますし、飲み屋さんもぼちぼち営業を再開しています。神戸土産を持参するときは、天神町の仮設住宅内の仮設商店でモロゾフのチョコレートを買うのです。これは、神戸に帰るときにもいいお土産になります。前回、釜石へ行った時には、青葉公園の仮設理容院のえさしさんで2か月ぶりの散髪をしてもらいました。
 気仙沼なら、「さかなの駅」や「復幸マルシェ」で食事と買い物、また南町の仮設商店街「紫市場」へ行きましょう。有名な「あさひ鮨」も営業しています。ここで食べた穴子は、神戸・明石の穴子より肉厚でめっちゃ旨かったです。石巻でもやっぱりお寿司が旨いです。私のお薦めは駅にも近い「竹乃浦」です。松島は被害が少なかったので、観光旅館も早くから再開しています。ここに宿泊して、レンタカーで釜石辺りまでは足を延ばせます。


気仙沼あさひ鮨の穴子と地酒

気仙沼復幸マルシェ団平の釜揚げうどんとシナそば

 いずれにしても、三陸はおいしい魚介類に恵まれた地域であることを再確認できるでしょう。その復興が私たちの生活にも大いに関わっていることも再確認できます。そして、わが国の酒文化を支えている東北の旨い地酒をたっぷりと味わってください。「被災地へ行っても何もできないし」という声をよく聞きますが、もうそんな時期は過ぎました。行って、見て、一杯お金を使うこと。これもりっぱな復興支援なのです。誰がどんな使い方をするか分からない義援金よりは、いいお金の使い方だと思いませんか。
2、でも、なかなか被災地には行けない人も多いでしょう。神戸に居てできる支援ももちろんあります。それは三陸の物産を買うことです。市内でも期間限定ですが東北物産を扱うお店や商店街がいくつかありますし、インターネット通販を利用することも可能です。釜石でも釜石ブランド立ち上げて、ネット販売を始めるようです。ただし、商品によっては、販売元は東北だけど製造元は東北でなかったりするので、被災地で作られたものを買いたい場合は注意が必要です。
3、商店街はどのような復興支援ができるのでしょう。次回に続く。

 最後に、紙面ではありますが、亡くなられた方々に黙祷を捧げたいと思います。合掌。
(2012.4月発行)