■丸五市場のナイト屋台  (NO.24)
 新長田の丸五市場へ行ってきました。毎月第3金曜日の夜はアジア横丁ナイト屋台の日なのです。狭い通路に所狭しとたくさんの人がいます。お目当ては、お好み焼きかお肉屋さんの焼き肉か西村さんのところの焼き鳥か、はたまたベトナム春巻きか沖縄そばか。みんなそれぞれにお気に入りの食べ物と飲み物を持って、行ったり来たりしています。椅子とテーブルもあちこちに用意されているので、グループで盛り上がってたりします。
 私のお目当てはミャンマー・カレーと焼酎専門バー。ミャンマー・カレーは元バックパッカーの奥さんとミャンマー人のご主人が2008年に開いたお店。まろやかな味がとてもおいしいです。そのカレーに、まずは沖縄のオリオンビールで喉を潤してから、お次は芋焼酎。お店で一番度数の高いのを注文します。飲み方はロック。泡盛は特にそうですが、焼酎も度数の高いほうが断然うまいのです。飲み方もお湯割りよし、ロックでよし、ソーダ割でよし、前割(水を加えて2〜3日寝かしたもの)を燗で飲んでもよし。自然と杯が進みます。
 アテにはちょっと味の濃いものが焼酎には合います。刺身など味の淡白なものには、やっぱり日本酒です。新潟や山形のスッキリ系の純米酒なんて堪りませんねぇ。日本酒だと何といっても純米をお勧めします。吟醸や大吟醸もおいしいですが、食中酒には向きません。
 おっと、お酒の話ではありませんでした。この日も結構飲みました。料理もうまいし、雰囲気もいいし、ついついお代わりをしてしまうのです。屋台ナイトの運営責任者の東さん(ながたTМO)が隣で呟きました。「ここはほんまにアジアの屋台街みたいですわ」
 何よりいいのは、屋台を出している商業者の活き活きした顔です。汗をかきかき鉄板で肉を焼いてる肉屋の大将、焼きそばを焼いてるおかみさん、ビールを注いでいる若い衆。みーんな輝いています。商売のおもしろさを改めて感じさせてくれます。かつての市場や商店街がそうでした。お客も喜び、お店も喜ぶ。そんな商売の原点を教えてくれる夜でした。
 あの大震災で大打撃を受けた丸五市場。一時は取り壊しの話も出ていたと聞きます。今でも空き店舗が目立ちます。再建のためのいろんなアイデアの中から、この屋台ナイトは2008年の6月にスタートしました。今では、月に1回の開催が待ち遠しいイベントに定着しています。ここまで頑張ってきた商店主さんたちに大きな拍手を送りたいです。みなさんも、ぜひ行ってみてください。楽しめること、請け合いです。
 余談ですが、この日は、気がつくと、千鳥足ならぬ千鳥自転車で何度か転びながら帰ってきてました。酔っ払い自転車には気をつけましょう。おまわりさん、ごめんなさ〜い。
(2009.8月発行)