■神戸市の地域力アップ事業 その1  (NO.22)
 今年も神戸市の「地域力アップ事業」の審査が始まりました。この事業は、平成18年から開始されたもので、その狙いは、地域の「にぎわい」の場でもある商店街・市場に「地域力」を醸成するようなイベントや各種の取り組みを実施してもらおうというものです。もちろん、その取り組みは商店街・市場の活性化に貢献しなくてはなりません。
 対象となる活動には八つのテーマがあります。
(1)安全・安心な商店街・市場づくり
(2)高齢者・障害者にやさしい商店街・市場づくり
(3)子どもにやさしい商店街・市場づくり
(4)環境にやさしい商店街・市場づくり
(5)地域・歴史にちなんだ商店街・市場づくり
(6)芸術・文化をいかした商店街・市場づくり
(7)デザインに配慮した商店街・市場づくり
(8)大学・学生との連携による商店街・市場づくり
 補助率は3分の2で、限度額は50万円以内となってます。申請を受けて審査があります。審査は委員会形式で、公益性・実現可能性・効果・新規性・将来性の観点から5人の審査委員がそれぞれ評価します。申請件数は平成18年が9件、19年が7件、20年が11件となっています。すべての事業申請が認定されています。その中にはいろいろと興味深い取り組みがあります。いくつか紹介しましょう。

元町一番街商店街のホームページより
 元町商店街と言えば、神戸でも有数の神戸らしいお洒落な商店街でした。「でした」と書くと言い過ぎかもしれませんが、店舗も業種も随分と変わりました。老舗もまだ多く残ってますが、かつての商店街としての一体感が薄れてきたように感じるのは私だけでしょうか。ま、それはさておき、元町一番街商店街では毎年11月の「誓文払い」(バーゲンセール)で、平成19年に県下の農家と手を組んで地元の農産物を売る「収穫祭」を開催したところ、これがなかなか好評だったので、20年からは「水曜市」として毎月行うことにしたのです。きっかけは、高知旅行で見た「日曜市」だったということです。
 元町商店街で野菜を売る?なんて、私も最初は驚きましたが、元町商店街の界隈にも最近はマンションが増えてきており、付近にはほとんど食料品店もありませんから、地元のニーズにうまく合致したということなのです。商店街が地域へ貢献しているいい事例だと思います。さらに、「地産地消」という大きなテーマへのひとつの方向を示しているという意味でも、興味深い企画です。
 みなさんも一度覗いてみてください。毎月第3水曜日に行われています。
(2009.6月発行)