■祝!! 基本計画認定 ―伊丹市の場合―  (NO.13)
 本年の7月9日に第7次の中心市街地活性化基本計画の認定がおこなわれ、兵庫県下では伊丹市と尼崎市と神戸市(新長田地区)の3つがめでたく認定を受けました。伊丹では基本計画策定委員会委員長、尼崎と神戸では庁内検討委員会のオブザーバーとして関わっていたので、私にとっても大変うれしい限りです。もちろん、認定を受けることが目的ではないので、いろんな事業を実施する今からが本番ですが、認定を受けるまでのそれぞれの苦労を書いてみたいと思います。
 伊丹市の場合は、平成18年9月に新基本計画策定委員会を立ち上げて、年度内には新基本計画を作成しました。平成19年の3月には、国の中心市街地活性化本部へ初伺いをし、年度が変わってから本格的に国とのやりとりが続きました。本申請を許されたのが今年の5月下旬で、本申請から認定まではひと月ほどでしたが、本申請を認められるまでにほぼ1年かかっています。策定委員会の立ち上げからだと2年弱かかったということになります。改正された中活法でその設置を義務づけられた活性化協議会は平成19年2月に設立されています。
 国とのやりとりで問題となったのは、いろいろとありました。国の方も、大都市圏での新基本計画の認定はなかったものですから、方針が定まっていなかったということもあります。そうです、新しい中心市街地活性化法は落ち込みの激しい地方都市向けなのです。大都市圏の都市の場合は、中心市街地の人口が増えていたり、ハード整備はすでに完了しているところが多いので、連載2回目で紹介した青森市のAUGAのような都市福利施設の整備やまちなか居住の推進が難しかったりするのです。
 伊丹の中心市街地では、JR伊丹駅前にできた大規模ショッピングセンター(現イオンモール伊丹テラス)の影響で商店街の売り上げは落ちていましたが、人口は市域全体の増加率から比べると低くはなっているものの増加傾向にあります。そうすると課題は商店街の活性化になりますが、それがなかなか難しい。商店街の結束という問題もありますが、さらに市内に大規模スーパー(ジャスコ伊丹店)ができるという悪条件もありました。
 そこで伊丹らしさを出すには中心市街地の文化・歴史資源を活かした「文化都市」の創造=「ことば文化都市伊丹」というのがメインのコンセプトになったのです。その目玉事業として計画されていたのが、中心市街地での新図書館の移転整備でした。ところが、この文化都市構想がなかなか通らないのです。理解は得られても、それで中心市街地の再生がかなうのかどうかに疑問符がついたわけです。
 最終的には、数値目標の設定でのやりとりが続き、歩行者・自転車通行量、文化施設利用者数、そしてまちづくりサポーター制度登録数というのに落ち着きました。後者の2つはいかにも文化都市を目指す伊丹らしい数値目標になりました。それらの数値目標がクリアされるのを切に願っております。
(2008.9月発行)