■チャレンジショップの挑戦
(NO.6)
この新聞はちゃんと読まれているのですね。変な言い方ですが。何度か「記事読んでるよ」と商店主から声をかけられました。つい先日も三宮の高架下の飲み屋さんでおかみさんに言われました。「お、飲み屋さんにも届いてるんや」と感心しましたが、今や飲食業は小売業界を引っ張っている業種のひとつですから、当たり前といえば当たり前ですが。
そのお店にはもう30年近く通っています。もとは造り酒屋でレトロな雰囲気が一杯のいいお店だったのですが、あの大震災で高架下も大打撃を受けて、再開するまでにずいぶんと時間がかかりました。今も前の雰囲気をうまく残せていますが、震災がなければなぁと思う常連はたくさんいるはずです。こっそりお教えしましょう。「森井本店」といいます。何を食べてもおいしいお店です。今なら各種小鍋がおすすめです。「商店街新聞読んだよ」と言えば、安くはなりませんが、前のお店の写真が飾ってあるのでぜひ一度覗いてみてください。おかみさ〜ん、宣伝しときましたよー!!
岩手県水沢市(現奥州市水沢区)の駅前商店街にあるチャレンジショップ「あきんど考房21」。2003年の11月に訪問。現在は商店街に新しくできたショッピングセンター「メイプル」(ジャスコの跡地)に移転。
で、チャンレンジショップです。空き店舗対策として始まった実験的事業ですが、各地の商店街で現在も取り組まれていて、すっかり定着しました。成功例もたくさんあります。富山市もそのひとつでしょう。ただ、取り組みやすい事業であるだけに、安易にやるとうまくいきません。ひとつは規模の問題です。1軒空き店舗ができたからチャレンジショップに、ではダメでしょう。店舗の集積が商店街の魅力であり、強みであるわけですから、チャレンジショップも何軒かある、しかも連棟だとよりいいでしょう。ただし、そんなに都合良く空き店舗があるわけではないので、大きめの店舗の中を区切っていくつかのショップを入れるという発想になりがちなのですが、これもうまくいきません。
そこで考えないといけないのは、チャレンジショップ事業を単なる空き店舗対策とするのか、積極的に攻めの商店街テナントミックス事業とするのかということです。個店の集まりである商店街の最大の弱みは、テナントミックスができないということです。簡単にいかないのはよく分かりますが、時代にあったお店、ニーズにあったお店に変えていくことは生き残りのために必要不可欠です。自らは引退しても、新しい人に新しい業種店を引き継がすような勇気ある商店主がいて欲しいものです。それこそ「チャレンジ」なのですから。
(2008.2月発行)