■「明舞センター商店会」(垂水区) (NO.78)

明舞センター
 「明」石市と「舞」子(神戸市垂水区)の市境に位置する明舞団地の住民が、日常の買い物に訪れるのが、明舞センターである。高度経済成長期に兵庫県が開発したニュータウン。街開きから40年を経過した現在の様子を、明舞センター商店会の小林明夫会長に伺った。
 明舞地区は住民人口が減っており、高齢化も進んでいる。エレベーターがないためゴミ出しの苦労などがあり、上の階から1階に住み替える住民もいるとのことだ。
 「商店街は、お客さまの日常活動の手助けとなる存在。そして高齢の常連客の話し相手になることなどが、地域に密着した商店街ならではの接客。」と小林会長。
 常連客が楽しみに集めている明舞センターのポイントカード「めいまいカード」は、季節ごとに変わる景品や旅行招待が好評だそうだ。
空き店舗対策
 県の助成事業を利用しオープンしたレンタルボックスショップ(パソコン教室など)と駄菓子店の2店舗。会費の徴収がない「準会員」として商店会活動に参加している。取材当日、駄菓子店では小学生の女の子数人が店員ボランティアとして手伝っており、にぎやかで楽しい店内であった。
 兵庫県立大と神戸学院大学生の調査・研究拠点として平成21年に設置された「明舞まちなかラボ」。学生はここで授業を受けたり、地元住民への調査やイベントでの交流活動などを進めている。県立大生は明舞情報誌を作成、神院大総合リハビリテーション学部の学生は団地の空き住宅でバリアフリーやお風呂の手すりの展示会開催、などの活動を行ってきた。
 学生が学んでいる隣には、「明舞まちづくり広場」があり、大正琴、ハーモニカ、手編み、絵手紙などの教室などが催されている。
 空き店舗を活用した、若者や地元住民が集うコミュニティスペースづくりがうまくいっているようだ。「商店街やまちづくりの活動には、住民にいかに入ってもらえるかが大事。」と小林会長。
明舞地区再生計画事業
 県による「明舞団地再生計画」に基づき、明舞センター向いに、新しく商業施設が建設されることとなり、現在の施設での営業は平成28年3月までに見極めることになった。新施設に移転しようにも諸々の契約条件がネックとなり、移転を決めた店舗はわずかという。「新施設への専門店の移転が少なく、地域住民の常連の皆さんにご不便をかけてしまうのが心苦しい。」と嘆く小林会長。「来年3月の新施設オープンの様子を見て、今後どうするか考えていきたい。住民の理解を得ながら今まで通り地道な活動を継続していきたい。」と来年に向けて決意を語る。
(2013.1月発行)