■「トアロード中央商店街(振)」(中央区) (NO.77)

トアロード中央商店街
 トアロードはかつて、神戸港や居留地と、北野界隈を結ぶ、外国人のための通勤・生活道路として育まれた歴史を持っている。そのため今でも国際的で高級感ある街並みと、沿道の美しい景観が、商店街の人々の努力によって維持されており、トアロードの魅力となっている。
 現在の取り組みについて、トアロードの商店街三団体の内、JR高架線北側に位置するトアロード中央商店街振興組合の清水俊博理事長(トアロード地区まちづくり協議会会長を兼任)にお話を伺った。
 海側にあるトアロード商店街東亜会では「神戸市都市景観条例」により既に「地区計画」の地域に認定されているが、トアロード中央商店街からも市に提出した「地区計画(案)」が去る7月に決議され、来年3月ごろの条例化に向けて準備を進めている。「行政の認定を受けることで、景観にそぐわない看板などの設置を管理でき、各店舗は街路の清掃に力を入れるなどして景観維持に協力してくれている。」と話す清水理事長。
 震災後は、テナントビルが増えて新たに商業者も増えたが、商店街組織への加入数は減っている。新規組合員の増強は今後の課題。また、青年部活動を含めて、店舗間や近隣の商店街との連携意識を高め交流を深めるために、年数回の親睦会を開催しているそうだ。
 最近若者の来街者やヘアサロンそして健康管理サービス(医院、整体・整骨院など)等の利用者も増えているが、物販・飲食を含め購入層は以前と同じく中高年層が多い。平日は近隣からの来街者がほとんどだが、土日は大阪・京都・姫路など遠方からも顧客が訪れる。「顧客の皆様は、トアロードの商店主が数ある中から選び抜いた、こだわりの商品に惚れ込んで来てくれている」と清水理事長。
 トアロードでは毎年10月の連休に「KOBEトアロードクラフトアートフェア」を開催している。今年度の開催は晴天に恵まれ多くの来街者で賑わった。17回目となる来年度の開催に向け、例年のように、トアロードの商店街三団体で協力して準備を進めていくとのことだ。
 もう一つ力を入れているイベントが「トアロードカレッジ」。NHK神戸放送局のトアステーションにて、トアロードの歴史や、店舗、神戸ファッションなど、毎回違ったテーマで開かれる市民向けの無料講座で、神戸山手学園と連携し、音楽科の生徒による演奏も行われている。次回は来年年明けごろに開催の予定。地元の学校や地域の人々の協力で、トアロードの魅力を伝えるための取組みが様々な形で進められている。
(2012.12月発行)