■「大正筋商店街(振)」〈前編〉(長田区)
(NO.73)
伊東理事長
大正筋商店街は、JR・地下鉄「新長田」、地下鉄「駒ヶ林」駅から徒歩5分、大正時代から続く歴史の長い商店街である。
本年3月18日の「自慢の逸品展」にて、大正筋の「長田名物そばめし」が見事1位を獲得したのは記憶に新しいところだ。
長い歴史を持つ大正筋商店街も紆余曲折を経てきたようだ。3月から新しく就任された、大正筋商店街 伊東正和理事長にお話を伺った。
「震災後10年間の休会期間があったことは、再出発の際に大きな苦労となった。商店街が再びまとまるには誰か一人の力ではできないので、まちを良くしたいと思う仲間がまとまり、『アスタきらめき会』を立ち上げた。この団体が母体となりその後、現在のまちづくり会社『神戸ながたTMO』が作られ現在に至っている。周辺の商店街も含めた異なった組織の仲間が協力して、様々な仕掛けやイベントを実施し、新長田地区の活性化のために頑張ってきた。商店街が無くなってみて、
自分たちのまちは自分たちでつくらなくてはいけない
ということに気づいた。」と理事長は言う。
大正筋商店街
現在、2か月に1度、「大正筋サポーター会議」が開催されている。そのメンバーは、自治会、婦人会、地元の病院(事務局)、老人施設、小中学校(PTAや校長)関係者で、商店街イベント内容の打ち合わせや情報交換が行われている。学校行事の予定を商店街側が把握することで、イベントの開催日時を適切に設定し、効果的に集客できるメリットがあるとのことだ。
小学校の校区=最少のまちの単位だと理事長は言う。お互いの顔と名前がわかる規模であるので、震災などの もしも の場合に、すぐに情報が伝わる大切なコミュニティであると理事長は語られた。
「お客さんと商店主がお互いの顔を知っていて、挨拶を交わすということは、スーパーや大型店ではできないことだ。商店街はものを売るだけでなく、こういったサービスの提供が大事だ。」と理事長は言う。商品の値下げをしなくてもお客さんが買い物に来てくれて、笑顔で帰ってくれる仕組み作り。
地域の中で商店街は生かされているという感謝の気持ち
を忘れず、近隣のお客を大切にすることが大切だという理事長の言葉が印象に残った。
お互いの顔がわかるまちづくり
を進め、地域の人同士の絆を築いてきた大正筋商店街のその他の取り組み、理事長の抱負については次号にて紹介したい。
次号につづく
(2012.5月発行)