■「板宿本通商店街」(須磨区)
(NO.71)
板宿商店街
商店街探訪第1回目訪問商店街が今回訪問させていただいた「板宿本通商店街」である。前回の記事の日付を見ると「2004・8月発行」とある。その後の商店街としての変遷、課題を踏まえた取り組みなどお聞きするため訪問させていただいた。
商店街を歩いて先ず気付くのが高校生、家族連れ、サラリーマンなど商店街を歩いている人が多いことである。また商店街全体が明るく、クリーンなイメージで通路幅もゆったりとしている。
商店街の中ではお店の人とお客様の談笑の光景もみられ「家族的」な雰囲気にあふれている。
現在板宿本通商店街(振)の会員数は70店舗弱。
商店街の業種の変遷などお聞きすると「物販が減り『au』等の通信事業、レンタルなどサービス業が増えてきている」と話す板宿本通商店街(振)理事長 野田利幸氏。トレンドは他の商店街とほぼ似ている。又商店街の人気店などをお聞きすると「最近は特長がない店はどんどん淘汰される時代になってきた。お店自身がもっと勉強しなければ生き残れない。お店独自の商品開発、宅配サービスの充実やネット販売など販路拡大に取り組むなど、とにかくこつこつ新しい事に取り組んでゆく心構えが重要だ。その中から自店にあった特長を見つけ最大限活かし積極的に提案してゆくことだ。」とこれからの商店のあり方を話す。(同野田理事長)
今後の商店街でのイベントについては「今年度の須磨区庁の板宿駅南側移転計画にあわせ近隣の11の単組が集結し一大イベントを開催しようと計画しているところだ。地域全体がまとまって実施することで一体感が出る。また単組との交流も図れる」と合同で開催することの意義を力説する野田理事長。
今年の話題の「平清盛」についても神戸市立博物館で2月25日より開催の「平清盛」展の無料入場券プレゼントなど文化的な取り組みにも商店街として力を入れている。
又ハード面としては特に防犯体制に積極的に取り組み効果を挙げているようだ。板宿商店街では「防犯カメラ」を設置し全体の監視体制を強化してからトラブルが減り会員にも喜んでもらっている」と話す。 その他運営組織についても「『販促』『広報』などの部署も商店街内組織で設置している。『販促』においては新しい企画、時期にあった企画を考案すると同時にスピードを重視したいため。また『広報』は商店街の活動を広くお客様に知ってもらい商店街への集客をはかるためだ。」(同理事長)
商店街にとって「駐輪」「駐車場」の不足が悩みの種のようである。特に駐輪については「『有料』は駅周辺にたくさんあるが無料駐輪場が設置されていない。『無料』の駐輪場を設置することで、お客様にも喜んでもらえ、商店街も助かる。」と気持ちを明かす野田理事長。 これからも元気な商店街であり続けて行くためは商店街内でも意見が出やすい環境・仕組みを維持するとともに、当たり前であるが「必要とされるお店」「支持されるお店」に向けての地道な努力をお店がしてゆく、またお客様に来街していただくために積極的に商店街のアピールも行うという環境作りが重要と考える。
板宿商店街はこれからも地域住民との交流を図りながら、様々な取り組みも色々考えているようだ。今後の益々の発展に期待したい。
(2012.3月発行)