■「新長田一番街商店街(振)」(長田区)
(NO.70)
木村理事長と「いろは店主」坂元さん
阪神大震災から今年で17年が経過する。震災時は長田地区では多数の店舗が崩壊、再開発地区に指定された。その後平成21年10月には「鉄人28号」の等身大のモニュメントが完成し、現在ではJR新長田界隈は県外・国外からも多数の観光客が訪れる人気のスポットとダイナミックに変化した。
JR新長田駅の南は、大丸が入居する「ジョイプラザ名店会」他、大正筋、六間道筋商店街など、商店街・市場などが林立している地区。その中で新長田一番街商店街は「鉄人28号」がある若松公園の南側に隣接する商店街。
商店街の特長をお聞きすると「華やかな外観だが、俗に言う『粉もん』含め庶民的なお店が多い商店街」と笑って話す新長田一番街商店街(振)理事長 木村繁一氏。
振興組合は「昭和51年に発足、エリアでは比較的新しい組合」と話す(同木村理事長)。現在は30数店舗の会員で構成されている。また会員には「大手チェーンのドラッグストア、娯楽施設も加盟している」と聞き地域のパワーと仲間意識を感じる商店街だ。
「鉄人28号」の効果をお聞きすると「モニュメントができてから2年以上たつが効果は依然として高い」と話す木村理事長。要因としては「『鉄人広場』で開催されるイベント効果が大きい。特に軽食店などの売上げ伸びが顕著。又曜日としてはイベントが開催される土日の売上げが大幅な伸びを示している店舗もある。他に昨年夏シーズンにビアガーデンが開催され周辺の飲食店も売上げダウンするかと思いきや、入りきれないお客様が商店街に来てくれた」と鉄人効果を話す(同木村理事長)。
「いろは」のお店の皆さん
又商店街には昨年度実施された『神戸商店街・市場「自慢の逸品展」』で堂々の人気第1位となった「いろは」さんも営業している。店主の坂元さんに「自慢の逸品展」以降お客様さまの反応をお聞きすると「『店頭の飾られているトロフィーは?』など常連さんからも声をかけていただく機会も増え、お客様から元気をいただいています」と目を細める。
今年3月に開催される「自慢の逸品展」にも2連覇を目指し引き続き参加していただきたい。(期待しています)
阪神大震災から17年。阪神大震災では甚大な被害を蒙った長田地区一帯。当時、お店はお客様のためにできる事を考え、お客さまも地元の商店街を頼りにしていた。東日本大震災であらためて「人と人との出会い」「絆」の大切さが分かったのではなかろうか。商店街はその機能を有している。
「今後も地域の住民の支えとして、又新長田地区を訪れてくれる人達に何度でも来て頂ける元気な商店街にしたい」と力強く話す木村理事長。 商業環境は厳しさを増す一方であるが安心して暮らせる地域としての商店街存在の価値は大きい。
今年度も鉄人28号に絡んだイベントを計画中のようだ。地域を引っぱって行く元気な商店街として、益々の発展に期待したい。
(2012.2月発行)