■「三宮阪急前商店街」「阪急西口本通二・三丁目会」(中央区) (NO.63)

三宮阪急前商店街
 阪急三宮駅の北側にある老舗繁華街「三宮阪急前商店街」。通称「サンキタ通り」。
 数多くの飲食店やカラオケなどの娯楽施設が立ち並び、夜遅くまでにぎわっている。神戸はもちろんのこと、週末にもなると他府県からも多くの人が集まる。
 歴史は古く、昭和28年に神戸で初めてアーケードを作った商店街である。昭和37年頃に再開発計画があったがまとまらず、20年かかって商店街の区画整理が終了。
 その後、近隣に新しい商業施設が出来て、人の流れが変わっても、神戸一の繁華街と感じられるエリアだ。
 昭和63年には、アーケードやカラー舗装が完成した。斜めにカットされたサンルーフからは明るい光が差し込む。
 「阪神・淡路大震災後、通行人や観光客に対する強引なキャッチセールスや客引きなどが多く、周辺の環境が悪化。来街者に安心して楽しんでもらえるように、防犯を中心に力を注いできた」と話すのは久野茂樹理事長。
 これまで、警察や行政とともに、違法駐車や放置自転車をなくし、道路や周辺の美化に取り組んできた。平成16年に防犯カメラを商店街に16台設置。現在、月2回防犯パトロールを行っている。長年にわたり懸命に努力を続けてきた結果、この辺りの環境はずいぶん良くなった。
 久野理事長は、「これも私と共にお手伝いして頂いた商店街の有志の皆様のおかげ。
 パトロールは生田地区商店会の有志の皆様と一緒に進めたことにより成功。
 皆様には大変感謝している。これからも人にやさしく、女性も安心して遊びに来てもらえる、明るく元気な商店街を目指して、全力で取り組む」と熱く語った。

阪急西口本通二・三丁目会
 「阪急西口本通二・三丁目会」は、阪急三宮駅西出口から出てすぐ、JR・神戸高速が並走する高架下にある商店街。
 町内の親睦をきっかけに会が発足し、近隣の人々からも親しまれている。古くは、この辺り、近くにある生田神社の門前市で開けたとも言われている。
 阪神・淡路大震災では、大きな被害を受けるも、JRの復興事業により、再び活気を取り戻した。
 「以前、ここには、靴屋、洋服店、骨董屋といった老舗有名店がたくさんあった。今では、伝統的な商売をされている店が少なくなったが、戦後から商売を続け、頑張っておられる店もある」と三浦郁夫会長。
 また、三浦会長は、「周辺の環境の悪化に伴い、柱の落書きに悩まされる時期もあった。シルバー人材センターの方にも協力してもらい、我々で繰り返される落書きをすべて消した。日々の努力で、かなりきれいになった」と話す。近年では、夜の雰囲気がよいという理由から映画のロケにも協力。
 三宮の中心にあり、近隣の商業施設へのアクセスもよく、気軽にショッピングを楽しむことが出来る。セレクトショップなどの若者向けの新しいお店もあり、業種は多種多様。町内会の親睦からはじまった温かみのあるショッピングゾーンである。
(2011.2月発行)