■三宮センター街2丁目商店街(中央区)
(NO.17)
三宮センター街2丁目商店街
三宮駅南から西へ徒歩5分、三宮センター街の中心に位置する三宮センター街2丁目商店街(中央区・久利計一理事長)は、同センター街1丁目商店街とともに昭和21年に誕生。商店街入口には鮮やかに「2」と記されたアーチが買物客を出迎え、白いアーケードやレンガ色の舗装が花道のように華やかである。長さ約150mの街内には個性ある60店舗が立ち並び、神戸を代表する商店街のひとつとして地域内外から足を運ぶ買物客が後を絶たない。
震災時、半壊の被害を受けて以降、店舗業種のバランスが流行を追う様に変化し、老舗は自店のオリジナルに加えて時代に沿った商品を扱い、年齢問わず行き交う人々で賑っている。
2004年12月、震災復興のシンボルとして東西アーチの内側に神戸ゆかりの版画家川西英氏の原画を再現した巨大ステンドグラスを設置。光を通して浮かび上がる神戸の名景が行き交う人々の記憶に。一方で舗装には昭和28年に施工されたアーケードの支柱跡を残し、色あせることのない歴史を刻む。
夏場には心身に障害をもつ子ども達が心をこめて作った作品を入れた氷柱が置かれ、おもてなしのひとつとして今後も継続。雨天時には、商店街入口に靴を拭うための赤い絨毯を敷くなど随所に来街者への気遣いがうかがえる。美しいまちを保つため、組合員がごみ拾いなどの環境保全にも率先して取り組んでいる。それぞれの個性を保ちながら、一体感ある街内は時間やコストの問題よりもてなしとこだわりを優先し、快適な空間と独自の発想がアートギャラリーに訪れたように来街者の五感に働きかけている。
関係者は「商店街は商売することだけが目的ではなく、社会的共有スペースを借りていると考え、ユーザーのニーズに合った空間を提供する必要がある。周りと競合していく中でオリジナリティを追求し、まちを好きになってもらいたい」と語る。
(2006.1月発行)