■板宿本通商店街(須磨区)
(NO.1)
若者でにぎわう板宿本通商店街
地下鉄及び山陽電鉄板宿駅下車すぐ、大きなアーケードが目印の板宿本通商店街。駅前からスーパーへ続いていくこの商店街は、平日にもかかわらず多くの人通りが目に映る。アーケードから入る自然光が商店街全体を明るく保っている。震災前から老朽化による建て直し計画があったアーケードは、震災で崩れなかったものの、震災後すぐに建て替えられたものだ。
様々な専門店はもちろん、ファーストフード店や携帯ショップも数多 い。威勢のよい声が飛び交う市場や商店街が網の目に続き、昔ながらの雰囲気で新鮮な食材が購入できる。そして、商店街を北に抜ける場所にダイエーを核テナントとする「ビバタウン板宿」が見える。
板宿本通商店街は売出しやイベントにも積極的だ。20年前までは青年部が活躍し、商店街を活気づけた。しかし青年部が経営者になっていくとお店と販促活動との両立が難しくなっていた。震災後『板宿本通商店街は被害が少なかったのに何もしていない』と地域の声を聞き、再び積極的に活動を始めた。大物ゲストを起用する大イベントをはじめ、旬の話題を取り入れたもの、地域の幼稚園や婦人会などにお手伝いしてもらったものなど様々だ。
集客には大成功を納めるが、やはり`売り上げaと直結しないのが現状。それでも「売出しやイベントをやっていくことで面識が広くなる。商店街の中でも勿論だが、地域やお客様との親睦が深まって行く事に価値があ る」と販促委員・尾田幸夫さんは話す。
板宿本通商店街の今後の課題は「大型店に打ち勝つこと」である。現在板宿周辺には大型店の出店ラッシュが続いている。しかしイベントで培った「商店街と地域との親睦」を大切にし、板宿全体の街づくりに取り組んできたこの商店街の魅力は「既存の商店街、市場、スーパーが同じ形態を保ち共存しているところ」にある。
板宿本通商店街の今後の展開にますます目が離せない。
(2004.8月発行)