■「高松丸亀町商店街(振)」(NO.7)
 市商連・市商婦連総勢37名は、4月11日、再開発事業で全国から注目されている商店街の一つである香川県の高松丸亀町商店街を視察した。
 高松丸亀町商店街の歴史は古く、江戸時代から400年以上続いている商店街で、現在の振興組合加盟店数は157店、組合員数は164名を抱える。アーケードの長さは2.7kmで大阪の天神橋筋六丁目の2.6kmを抜き、日本一の長さである。
 瀬戸大橋開通以降の郊外の大型店進出、商店街へ来街者の減少、そのほか、居住者の減少などが発生した時期より、商店街の再開発計画が進められた。その手法は、定期借地権の導入により、地権者の土地の所有権と利用権を分離させ、テナントの配置と構成を合理的に行うという方法である。土地の利用を一括管理することにより、商店街内にイベントが開催できる広場、マンション、病院、飲食店などが配置された。再開発の目標の一つでもある車がなくても安心、便利なまちづくりをめざし進めた結果、居住者を増やすことに成功。今ではマンションは即完売とのことである。
 古川理事長から商店街のイベントへの取り組みについてもお話いただいた。「商店街のイベントで集客を図り、賑わいを創出すれば個店の売上が上がると思っていたが間違いだった。売上が上がらないのは消費者の欲しいものがそこに売っていないからだ」と気付いたとのこと。また、商店街役員や組合員によるイベント運営の負担も課題だったため、現在、高松丸亀町商店街では「市民持ち込み」のイベントを商店街がサポートするという仕組みで実施しているという事である。イベントを開催する市民に、まちづくり会社に所属するイラストレータや音響スタッフを無償で提供し、ポスターを無料作成するなどのフルサポートの効果により、毎週土日はイベント開催で予定が埋まり、年末まで予定が詰まっているとのこと。
 商店街の再開発には多様なメンバー・団体とのコンセンサスや各種調整を必要とするので大変長い時間がかかる。高松丸亀町商店街でも今までに十六年の歳月がかかっている。これを成し遂げたのは地域コミュニティが一致団結した結果だという。「自分自身の資産を本気で自ら守る覚悟があるかどうか」その思いだと古川理事長は力強く語られた。
(2012.5月発行)