■伏見大手筋商店街(京都市)(NO.3)

伏見大手筋商店街
 京都南東部の観光スポット伏見桃山城の門前町として栄え、約100年の歴史を誇る伏見大手筋商店街(京都市伏見区・村上好夫会長)は、京阪本線伏見桃山駅に隣接し、徒歩圏内には近鉄京都線桃山御陵前駅という交通機関に恵まれ、終始活気に溢れている。東端のアーチを抜けてすぐ、同区の歴史や文化にゆかりの深い人物をモチーフにしたからくり時計が行き交う人々を楽しませる。
 巾約6m、東西約400mに渡り、日用品店や衣料品店はもとより、ファーストフードや喫茶店など約120店舗が軒を連ね、点在する老舗の酒屋や茶屋、銀行が今昔を物語る。子連れの主婦や学生など地域住民を主流に人通りは耐えず、設置されたベンチでは和やかに老夫婦が会話を弾ませ、都市的な側面を持つ地域の一角に庶民的な雰囲気が色濃く残っている。
 地域人口の増加と比例して大手食料品店の出店により、競争はより一層激化するなか、販売促進の一環として、駐車場の経営や商品券の発行、シーズン装飾など自助努力をたゆみなく続けている。年間の大きな行事は、隣接する商店街と協力し、地元社寺仏閣の祭事に併せて広範囲で催しを行うなど、地域に根ざした参加型のイベントを年に3回実施。また`賭けない、煙草をすわない、徹夜しないaをモットーにした健康マージャン、碁、将棋教室の「文化センターひまわり」を2005年に設立。ゲームを通したコミュニティーの場として、特に女性やご高齢の方に人気が高まっている。

商店街中央に設けられたベンチ
 2006年には、犯罪抑止などの目的から、防犯カメラシステムを導入し、アーケードの支柱に約30台のデジタルカメラを取り付けた。
 1997年の太陽光発電ソーラーアーケードの設置など10年来の創意あふれる事業展開で2006年経済産業省発行の「がんばる商店街77選」にも取り上げられた。
 同商店街奥野事務長は「様々な取り組みの中で商店街としての価値を高め、近隣住民だけでなく、周辺の観光に訪れる地域外からの来街者を取り込み、京都市南部の最大集積地として広域型の商店街に発展させていきたい」と話していた。
(2007.5月発行)