■竜馬通り商店街(京都・伏見)(NO.4)

風情あふれる店が軒を連ねる
 京阪京都線中書島駅を降りて北へ400m、吸い込まれるような路地を辿ると宇治川分流の向こう側に竜馬通り商店街(藤原清和理事長)が見えてくる。商店街入口の西隣には坂本竜馬の定宿として知られ、幕末の歴史舞台となった「寺田屋」が厳かに来街者を迎えている。全長130m、道幅4mの石畳の小路は両側の店先を眺めるのに程よい道幅で、寿司屋や喫茶店、呉服店や計り売りのお茶屋などの風情ある店舗が多く軒を連ねている。
 同商店街は江戸時代に遊郭として栄えた中書島の遊女の着物や日用品を取り扱う店舗が自然発生的に集まり形成された。1994年、振興組合設立の際に全国でも珍しい人名がつく商店街として発足し、歴史を重んじた様々な事業が展開されている。
 店舗の空洞化や利用者の高齢化に悩まされていた同商店街は、1999年に着手された外観整備によって幕末ロマン漂う町並みに一新された。ガス灯風外灯や和風の看板、瓦屋根などを統一し、店舗の外観は格子窓や焼板、白壁などの加工がなされている。空き店舗を町屋風に改装した「竜馬ホール」は、コンサートや作品展など目的に応じて衣替えがなされ、地域交流の場として活用されている。商店主有志が運営する土産店「龍馬館」では、多彩な竜馬グッズや坂本竜馬の故郷である高知県の特産品などが販売され、「龍馬寿司」など各店でも坂本竜馬にちなんだオリジナル商品の開発がされている。また、販売スペースを出品者に貸し出す小箱ショップ「たまり湯」は地元龍谷大学の学生主体で運営され、近隣の住民が日常的に利用する面だけでなく、学生や観光客で賑わっている。
 関係者は「海外からの観光客も訪れるようになった。歴史に育まれた地域性を活かし坂本竜馬ゆかりの地の情報発信基地として、低迷する商店街の活性化に今後も取り組んでいきたい」と話していた。
(2007.9月発行)