■狸小路商店街(北海道札幌市中央区)
(NO.2)
狸小路商店街のアーケード
JR札幌駅から南へ約600m、札幌のシンボルである大通公園のテレビ塔を横目に、歓楽街すすきの方面へさらに400mほど南下すると「狸小路商店街」のアーチが見えてくる。
1丁目から7丁目までの7ブロックで構成される全蓋アーケードの商店街。この地域は各路線が網目のように交差。同商店街は市営地下鉄大通駅とすすきの駅の中間に位置し、主要幹線道路に囲まれ、立地に恵まれている。日用品、衣料品はもとより個性とバラエティに富んだ約200店舗が東西約1kmに渡り軒を連ね、一帯は市民や観光客が集う繁華街として栄えている。
同商店街は明治初期、数件の商店からはじまり約130年の歴史を誇る。名称の由来は、諸説あるが、夜な夜な言葉巧みに男性を誘った女性達を狸になぞらえたのが、定説となっている。
JR駅周辺の再開発に伴って新設された商業施設や、駅から同商店街と交差しすすきのまで繋がる地下街などと商圏が競合するなか、共存し、それぞれの特色が伺える。
1丁目は古着や軍用の払い下げ品など、男性向け個性派専門店が多く見受けられ、判子屋や貴金属眼鏡店など昔ながらの老舗も健在。
2丁目は輸入雑貨やジーンズショップの商品を拡大したユニークな看板が目を引く。商店街の一等地、3丁目は生活必需品やドラッグストアなど全国展開する店舗が目立ち、観光客向けの土産物を取り扱う店舗の多い四丁目にあって店内に昔懐かしいプラモデルがずらりと並ぶ、顧客が絶えない老舗が異彩を放っている。
狸神社
5丁目には狸小路百周年を記念して創建された本陣狸大明神社(通称‥狸神社)の狸水かけ地蔵が鎮座し、創建以来、参拝客の後が絶えない。狸六とかかれた提灯が軒先を彩る6丁目はラーメン屋が多く立ち並び、昔のままのアーケードが残る7丁目はビリヤード場や空き店舗をリメイクした郷土料理店やシンガポール料理店などが点在。個性豊かな飲食店が暗い照明の中にあって、店内の光によってより清潔感や存在感を増している。
老舗と新しい店舗が肩を並べ、顧客が世代を越えて訪れる中、目当ての店舗へ足を運ぶ若者の姿もあり、雪が舞う夜にも関らず、多くの来街者で賑わっていた。
(2007.3月発行)