■戸越銀座商店街(東京都)(NO.1)

とごしぎんざのお休み処
 東急池上線戸越銀座駅を挟んで、約1.6kmに渡り東西にのびる戸越銀座商店街(東京都品川区)は、日本一の長さを誇る商店街。1927年に誕生し、全国に約300箇所あるといわれている銀座名を冠する商店街の第1号でもある。ステンドグラスを両サイドに抱えたブルーのアーチが来街者を出迎え、船舶用のランプを思い起こさせる街灯には同商店街の愛嬌あるトラのマスコットキャラクター戸越銀次郎(通称ぎんちゃん)が描かれたオレンジ色のバナーが街内を賑やかに演出している。飲食店や食料品店を中心とした約400戸の店舗が軒を連ね、コンビニや銀行、医療機関なども充実し、都営浅草線戸越駅にも隣接している。
 主婦や高齢者の買物客が目立ち、夕食前とあって大手の人気スーパーは大いに賑わい、食料品店は店主と買物客との掛け合いで活気付いている。狭い道幅に商店が密集し、互いが競い合うようにポップや商品陳列などで 各々工夫を凝らしている。買物客の目線は店舗の奥へと運ばれ、吸い込まれるように店内へと誘導される。また照明の使い方にも工夫が見られ、店内は夕刻になるとその存在をより明確にする。

戸越銀座商店街
 街内は3つの団体で構成され、それぞれが協力し、戸越銀座まつりをはじめとしたイベントの他、空き缶・ペットボトルのリサイクル運動やノーレジ袋運動、他商店街や団体・個人に対しての視察や研修を積極的に受け入れるなど様々な事業を展開している。その一つとして、同商店街東端に位置する銀六商店街の中ほど、空き缶、ペットボトル回収機の設置がなされている「とごしぎんざのお休み処」には、開発に力を入れたオリジナルブランド「とごしぎんざ」の商品が陳列され、1999年に発売した純米酒は地域限定のヒット商品となっている。材料厳選、手作り、無添加などのこだわり品は現在30品目を超え、すべてに「とごしぎんざ」のロゴマークがつけられている。また、店舗そのものがブランドとして登録され、ロゴのついた看板やのれんを飾るなどブランドを印象付ける。ブランド商品はインターネットの情報発信窓口「戸越銀座ネット」からでも購入でき、全国にアピールしている。
 また、今年度に入り、電線類地中化に伴う工事が着手され、ハード面とソフト面の両端から地域活性化と快適な商空間づくりに取り組んでいる。
(2006.5月発行)