■夏の旅日記より
(NO.73)
8月X日
仙台で夜行バスで来たゼミ生4人と合流。今回の目的は班研究のテーマである仮設商店街の視察調査。4人とも東北は初めて。宿泊地の気仙沼目指して45号線を北上。最初は塩竃の「しおがま・みなと復興市場」。「へー」というのが感想。何を感じたのかしらね?続いて、松島でちょっと観光。五大堂と瑞巌寺を見学し、朝飯代わりに笹かまぼこを試す。好評だった。東松島の野蒜地区を通って、石巻へ。野蒜(のびる)地区の惨状にしばし声を無くす。震災前の姿、震災直後の姿を知らなくても、想像力があれば現状の悲惨さは分かるはず。石巻ではまず日和山へ。まちの様子がよく分かる。「立町復興ふれあい商店街」と「まちなか復興マルシェ」を訪ねて、昼飯。いつも行くお寿司屋「竹の浦」で海の幸を堪能。大満足の笑顔がいい。三陸の魚の美味しさを知るのも旅の重要な目的。萬画館を見て気仙沼へ。出発直後にゲリラ豪雨に遭遇。「経験したことのない豪雨」だったそう。南三陸へ寄るつもりがそのまま気仙沼に直行。夜も仮設店舗「福幸小町田中通り」の「おだづまっこ」(お調子者、ひょうきん者)で三陸の海の幸に舌鼓。初めて食べる「モウカの星」(さめの心臓)とホヤとマンボウに嬌声があがる。
移動販売車
奇跡の一本松
8月X日
今日は「気仙沼さかなの駅」が経産省の補助金をもらって始めた移動販売のお手伝い。午前中に各店舗から仕入れをして、昼から仮設住宅を中心に何カ所か回る。売れるかどうかは仕入れの腕の見せ所。果たして結果やいかに?夜は「気仙沼復興商店街南町紫市場」の「あさひ鮨」へ。またまた、三陸の海の恵みを堪能。
8月X日
南三陸町志津川の「南三陸さんさん商店街」へ。途中にある「伊里前福幸商店街」にも立ち寄る。スポーツ用品店の店主さんから地域の様子やこれからの商店街についてお話を聞いた。ゼミ生(高校時代は野球部)が部活用のキャプテンTシャツを、私が夏用のお洒落ハットをゲット。どちらも格安だった。さんさん商店街でランチ。ウニの「きらきら丼」が売りの商店街だけど、今日は鶏天丼。海のものではないものが食べたかったのね。夜は紫市場の「勝子」でトンカツを。今日は肉の日だった。
8月X日
復興庁主催の円卓会議に出るために釜石へ。ゼミ生もオブザーバー参加。地元商業者、地元NPO、岩手県の関係部局、この事業を担当している「ひょうご震災記念21世紀研究機構」の関係者などからなるメンバーで、これからの釜石について議論。イオンができることをどのように逆手にとるか。やれることは一杯あるはず。商業者の智恵とやる気に期待したい。ゼミ生にも勉強になったはず。と、思いたい。「青葉公園商店街」近くで釜石ラーメンを食べた後、大槌まで足を延ばして「ひょっこりひょうたん島」と「福幸きらり商店街」を見て、帰りに大船渡「おおふなと夢商店街」に寄り、陸前高田の「奇跡の一本松」を見学。夜は気仙沼ホルモンを楽しんだ。
牛タンだー
8月X日
ゼミ生たちは夜のバスで帰るので仙台へ。途中、石巻蛇田にあるイオンモールでランチ。石巻駅周辺のオールドタウンと比べたこの地域(ニュータウン)の商業施設の大きさと集積具合に納得しながらも驚くゼミ生たち。かつての中心市街地の再生の難しさを感じて欲しいなぁ。仙台では市内観光バスのるーぷる仙台に乗って、観光気分を満喫。「せんだいメディアテーク」で降りて図書館へ。被災地の写真集を見て、改めて今回訪れた地に思いを馳せる。駅前の商店街を通り、その大きさ・立派さに戸惑いながら念願の牛タン屋さんへ。たっぷり牛タンを楽しんだ最後の夜。
8月X日
今日からまた若い友人二人と仙台から車で北上。私の旅はまだまだ続く
(2013.9月発行)