■政権交代は吉となるか  (NO.26)
 なんと、政権が交代してしまいました。この記事が出る頃には、鳩山内閣が出来ていて、各閣僚も決まっているでしょう。自民党の小泉内閣以降の体たらくが原因ですが、それにしてもすごいことです。誰がどの閣僚になっているのかも興味深いですが、商店街関係者にとっては、政権交代でいろんな活性化事業の行方がどうなるのかが気になるところでしょう。
 例えば、7月に決定された緊急補正予算による「平成21年度地域商店街活性化事業」などにもその影響は出ています。最後のバラマキとばかりに決められたこの事業は、国の補助率は3分の2で補助の上限は2億円、下限は100万円というもので、3千万円以上の事業は国(地方経産局)による審査が必要となっていたのですが、どうやら自主的にというか、ある種の思惑からその執行にブレーキがかかったようです。申請もたくさんあったみたいですが、半月ほどの間にいろんな資料を用意してたくさんの応募書類を作成したのに採択されなかった商店街には気の毒なことでした。
 前回の記事で紹介した「地域商店街活性化法」による事業も、すでに多くの申請が出されており、これから審査は始まるわけですが、同じような事になる可能性もあります。なんせ、旧政権が作った法案なのですから。それは、中心市街地活性化法も同じです。すでに認可された基本計画でもこれから行われる事業については、その効果や中身が改めて問われることになりそうです。基本計画の改訂を余儀なくされる所もこれからは出てくることでしょう。
 中心市街地の再生は政権が交代しても、重要な課題であることは間違いありません。民主党のマニフェストではこの辺りの問題については詳しくありません。「地域主権」という言葉はあって、地方の自主財源を大幅に増やすとありますが、その財源を地方都市の中心市街地再生に使いなさい、ということなのでしょうか。同時に「ムダづかい」をなくすということが最初に挙げられていますので、再生への道のりが遠いところは見捨てられることもあるということなのでしょうか。
 ひょっとしたら、商店街なんて時代遅れだから、潰れるところはさっさと潰して、土地の有効利用を図りながら、小売機能が必要な地域には新しい都市型商業を創り出そう、なんてことになるかもしれません。それはそれでおもしろいアイデアですが、現場の人たちには堪ったものではありません。
 官僚政治からの脱皮を謳う新政権ですから、ここはぜひ政治家のみなさまに現場へ足を運んでもらって、官僚の頭の中だけで考えられた政策ではなく、地に足の着いた、現場の声を反映した政策議員さんから提案してもらいたいものです。
(2009.10月発行)