■「須磨寺前商店街」(須磨区) (NO.74)

須磨寺前商店街
 山陽電鉄須磨寺駅の南に位置する、綱敷天満宮から須磨寺までの道は「須磨智慧の道」と呼ばれており、両社寺の中間に位置するのが須磨寺前商店街である。
 神社と寺がこれほど近距離に立地していることは珍しく、昨年末にはこの道の一角に、弘法大師の「弘」と天神さんの「天」から名づけられた「弘天さん」が完成した。大学センター試験前には、両社寺と商店街を回る「須磨智慧の道スタンプラリー」が開催され、たくさんの受験生が智慧の道を訪れて、合格を祈願した。
 須磨寺前商友会では、定例役員委員会が月1回開催されており、吉川幸三会長を中心に、30代の若手を含む19名のメンバーで話し合いが行われている。
 この他、まちの活性化を目的とした「智慧の道委員会」が吉川会長を含む6名で不定期に開催されている。外部からゲストを招いたり、客観的で率直な意見をもらうことで、須磨界隈のファンを増やすための取り組みについて考える場を設けている。
 須磨寺前商友会では、若手の商業者への世代交代が少しずつだが進んでおり、意識の高い若手商業者も多いとのことだ。
 「若手商業者は、自店の経営はしっかり考えてできている。ただ商店街全体のことに関しては、どう動いて良いかわからないのではないだろうか。若者を商店街活性化の取り組みにうまく巻き込むには、彼らにどう働きかけをしていくかが大切。取り組みの準備を最初から見せていき、成功体験を重ねていかせることが若手育成につながる。」(吉川会長)
 商店街が1番賑わう、毎月20日・21日のお大師さん以外の日の集客を、吉川会長は課題に挙げる。そのため、各店の魅力向上を促進し、商店街の総合力を伸ばすことを目的とした勉強会の準備を進めているとのことだ。
 吉川会長が商店街活性化のために力を入れているのは、「情報発信」。会長個人のFacebookがきっかけで、商店街イベントに参加してくれるミュージシャンが見つかったりと、大いに活用している。
 現在商店街で準備を進めているイベントは、7月7日に開催される「須磨智慧の道七夕まつり」。美しい吹き流しの七夕飾りでにぎやかになる1日だ。
 当日は、神戸女子大の学生がイベントスタッフとして参加する、金魚すくいやスーパーボールなどの他に、大人も楽しめるようにと、音楽ライブも開催される。須磨の地域密着型スターしんごお兄さんによるアニメソングや童謡、ジャズライブ、また雅楽ライブというのが智慧の道らしい趣向だ。
 来街者のお客様に楽しんでもらう。「楽」が須磨寺前商店街のキーワード。「失敗を恐れずチャンスをつかむため様々なことに挑戦したい。」と吉川会長は語った。
(2012.7月発行)