■垂水商店街振興組合(垂水区)
(NO.68)
垂水地区の魅力はなんと言っても海を臨む美しい環境であろう。今回はそんな垂水駅前に立地する垂水商店街を訪れた。
現在、垂水商店街は垂水センター街をはじめ5つの商店街で構成されている。加盟店は約110店舗。商店街を歩くと医院や銀行・毎日の生活に必要な商品などが揃っているとっても便利な商店街となっている。また商店街の中には活気があり歩くのが楽しい商店街だ。
そんな商店街中ほどに海の街山の町との交流により設置された「八千代フレンドショップ」が営業している。元々は県の「先導的活性化事業」を利用し、「多可郡八千代町」のフレンドショップとしてオープンした。その後八千代町を含め3つの町が合併し多可町となったが現在も「八千代フレンドショップ」として営業している。
フレンドショップ内は2〜3坪程度と狭い。営業日は月・水・金で商品は多可町近隣で収穫した農産物を当日車で運び現地の人がここで販売する。鮮度が良いとお客様にも喜ばれているらしい。
営業日はトラックがつくと「お客様が率先して商品の陳列を手伝い、並び終えるとめいめいが目当ての商品を持ってレジに並ぶ。お客様が率先して手伝う光景など、本当に見ていてビックリします」と笑って話す谷口洋子副理事長。又垂水からは年に一度(2011年は11月6日)多可町の「ふるさと産業展」に地元の特産品を持って参加するそうだ。多可町でも鮮度が良いので人気との事。この関係が長く続いている理由として「一方的に来てもらうばかりでなく、夏のホタル鑑賞会など、こちらからも訪問するなど積極的に地域の人と交流を深めていることが良い方向につながっている」と石井康介理事長は話す。
八千代フレンドショップ
公的な事業をフル活用し、他地域との交流(=他力の活用)を図り商店街の活性化に取り組んでいる好事例である。
又垂水商店街のもう一つの特徴は「地域内コミュニティ」がうまく形成されていることだ。一例として10月配布の「クーポン特典付きガイドブック」の作成にも地元高等学校の現役、卒業生の方の協力を得て作成お客様からも好評との事。又チラシ掲載についても「神戸市漁業協同組合」、地元企業などの協力をいただけるまでに至るには普段からの情報交換、共同意識があったからではなかろうか。
一般的には普段から自治会、学校関係、他の団体との交流が図られている商店街ではイベント開催などもスムーズに行われているところが多い。
今後商店街の活性化に取り組んでゆく場合「小売業は変化適応業」と言われるごとく、他力の活用を図りながらかつ自店も変化してゆくことが重要である。又地域内でも普段からの情報交換を通じて共同意識を高めておくことも必要だ。
垂水駅前もイオン、業務スーパー、又コープなどのスーパーが、又郊外にはアウトレットパークなどが出店している激戦地区である。
環境は今後、益々厳しくなることが予測される。
今後も個店・エリアの特長を生かしながらそれぞれのお店もお客様のニーズを感じとり具現化してゆくことでさらに地域に支持される商店街になると期待している。
(2011.11月発行)