■灘センター商店街・灘中央筋商店街・水道筋6丁目商店街(灘区)
(NO.48)
水道筋6丁目商店街
阪急王子公園西口を出て、南西に少し移動する。びっしりと林立する街路灯が目に飛び込んでくる。約100mの両側に、飲食店や物販店が30軒以上営業し、活気にあふれる「水道筋商店街6丁目」だ。本年3月1日、市商連に加盟した。
人通りが途切れることなく、空店舗も見られない。好立地であるが故、賃貸テナントも増えてきた。「商店街の次世代リーダーを育てていきたい」と、同商店街振興組合の沼田捷二理事長は話す。
水道筋6丁目を西に移動すると、エルナード水道筋商店街のアーケードが見える。買い物客で賑わう商店街の中央部から、北側に傾斜しながら南北に延びる「灘センター商店街」と合流する。120mの商店街に30店舗以上。美味しそうな飲食店や食料品店、物販店が軒を連ねる。
戦前から親しまれ、昭和22年に西筋商店街として発足。昭和30年にシルバーアーケードが完成し、灘センター街に改称。平成6年に新アーケードも完成。震災も乗り越えてきた。
灘センター街商店街(冷やしそうめん振る舞い)
約100人の地域ボランティアが支える、地域と連携を密にした盆踊り大会は大盛況で、3回を数えた。ラッキーナンバー入りうちわを1500枚以上プレゼントし、抽選会も実施。来場者も年々増えてきた。七夕まつり、ちびっ子祭り、秋祭り、芸術祭、クリスマスパーティなどのふれあいイベントも好評である。
マンション建設が進む水道筋周辺は人口が増加しているが、新しい住民が増えて4割以上入れ替わった。一方、「新住民が市場や専門店での買い物に慣れておらず、共働きも多いため商店街の営業形態とマッチしにくい」と同商店街振興組合の小山喜三理事長の見方は厳しい。「商店街と市場の住み分けが曖昧になり、専門店も減少し、買い物を楽しむお客が減っている」(小山理事長)現状を打開するためにも、銀行を含んだ14団体が加盟する『灘中央地区商業振興会』の更なる積極的な活動に小山理事長は期待する。
灘中央筋商店街(インフィオラータ)
灘センター商店街から、灘中央市場を東に抜けると、同じく南北に傾斜しながら延びる「灘中央筋商店街」に出る。約40店舗が営業し、インフィオラータやハロウィンなど年6回のイベントで活性化に取り組んでいる。同商店街振興組合の森田泰弘理事長は「イベントは一過性の部分もあるので、空店舗対策にも力を入れていきたい」と、ハードとソフトのバランスを考える。
「イベントを続ければマンネリになり、商売に結び付かなくなる。マンネリ化の中でどう商売につなげるか」と指摘するのは、同組合の阮栄華会計理事。「小さい時からいい思い出を作らないと、いい大人にならない。子ども達が楽しみ、喜ぶ子供対象イベントなら、親子3代での来訪につながる。若い人の来場が活性化につながる」と模索しながらも方向は明確だ。
商店街、市場が密集し、利便性もこの上なく高い。市内屈指の商業集積を誇る水道筋界隈は、それぞれの商店街が互いに競い合い、好結果をを生んでいる。「昔からの住民は、昔を偲んで地域から離れないし、離れてもまた戻ってくる」(阮氏)。水道筋の魅力は、阮氏の言葉に凝縮されている。
(2009.10月発行)