■大正筋商店街(長田区)
(NO.21)
大正筋商店街
JR・地下鉄新長田駅から南西へ徒歩5分、国道2号線手前で南を仰ぐと大正筋商店街(長田区・上田司郎理事長)の巨大モニターが出迎えてくれる。約300mのまっすぐな道のりには飲食店や日用雑貨店、衣類などの各種専門店が立ち並び、格子かかった高さ12mアーケードからは同商店街のキャッチフレーズ「さわやかタウン・さわやかショッピング」にふさわしく柔らかい光が差し込む。足元にはこの地域を訪れた著名人の手形陶板が埋め込まれ、来場者を手厚く歓迎してくれる。坂がないため自転車での来場が多く、主な買物客は半径1kmの住民。専門店ならではの知識をアピールし、人々の心と心があたたかい雰囲気の中で通じ合う人情味溢れる接客で顧客をつかんでいる。
阪神大震災でほぼ全域が壊滅的な被害に見舞われたが、その後全国最大級の再開発事業が進み、2004年に新しく生まれ変わり、2年目を迎えた本年3月に開催されたまちびらき行事では今後の商店街の発展を願い、顧客への感謝と新住民歓迎の意を込めたワゴンセールやもちつき大会、猿回しなどのパフォーマンスが盛大に行われた。
年間を通して十数回のイベントが催され、再開発の新しい施設を利用したふれあい料理教室など地域に根ざした催しで新住民にも親しみ易さをアピール。また、同商店街が誕生した大正時代にちなみ、当時の衣装に身を包み商店主をはじめとする関係者らが商店街を練り歩くパレードを中心とした秋の名物行事「大正ウィーク」では無声映画の上映、ぽんがしの実演なども披露され、震災で中断を余儀なくされたもののアーケード再建とともに毎年華やかに開催される。
関係者は「交流を深め、地域に根ざした商売で、新住民にも楽しんでもらえる店づくりを心がけたい」と話していた。
(2006.6月発行)