■新長田本町筋商店街(長田区)(NO.19)

本町筋商店街
 JR・地下鉄新長田駅から南東へ徒歩5分、国道2号線を挟んですぐに本町筋商店街のアーチが出迎えてくれる。南へ続く300mのまっすぐな道のり。同商店街南端までの数箇所に本町筋のシンボル`ビッグハートaをかたどった婦人部のシンボル手作りモニュメントが飾られ来街者を歓迎する。軒を連ねる約70店舗には飲食店が多く、お昼時は満員御礼の賑わいが店外まで伝わってくる。中程には空を仰ぐ「ビッグハート広場」があり、イベント会場や地域憩いの場として活用。やわらかい自然光を注ぐ半透明のアーケードと赤茶色のレンガ舗装がレトロな雰囲気をかもし出し、アーケードを支える68本の柱に設置された3つの小さな白熱灯が同商店街の初期を見守ったすずらん灯の面影を残す。
 かつて商店街の入口には長田区の前身・林田区の区役所があったため1954年までは林田筋と称され、家具屋が多く軒を連ねていたことから通称「道具屋筋」と呼ばれてい た。商店街設立は明治末期とされ、兵庫運河や長田港沿岸の工場に勤務する職員や地域の職人らの生活を支え、その歴史はおよそ100年といわれている。
 震災で火災は逃れたものの店舗が減少、以前の活気は薄れてきたが、年間10を超えるイベントをすべて手作りで行い、地域交流を深めている。絵手紙体験教室や寄せ植え講習会、ショップモビリティーなど参加型行事に積極的に取り組み、青年部の活躍も一目置かれ、イベントの企画や運営だけでなく、街灯の交換、看板等の修復、イベントで使用する設備品の制作など若手の力を存分に発揮し同商店街のこれからを担っている。
 「地域独特の下町情緒のふれあいを大切に、新しいアイディアで商売だけでなく皆が楽しめる行事を展開して、親しみを深めてもらいたい」と関係者は語っていた。
(2006.3月発行)