■垂水商店街(垂水区)
(NO.5)
垂水商店街
港町神戸の特産品といえば、春の訪れを告げる『いかなごのくぎ煮』。その発祥とされている垂水地区。JRと山陽電車の駅があり、乗降客数は市内屈指だ。駅前には商店が密集し、その中心に垂水商店街がある。
垂水商店街は大型商業ビルやアウトレットモールなどに囲まれているが、「大型店からお客の足が商店街に向くのは少ない」と商店街関係者は話す。客層は主として高齢者と学生。垂水商店街は昔の下町情緒が色濃く残っており、「昔からの商店街を大切に、そして垂水という街を愛しながらこれから盛り上げていこう」としている。
『街を愛する』ために、様々な取組みが行われている。垂水発祥の名物を内外にPRすべく『いかなごの創作料理コンテスト』を開催。今事業は垂水区連合婦人会の協力を得ることにより、地域と商店街の結びつきを深めることに寄与している。 2003年9月には、兵庫県多可郡八千代町と『町と街との出会い』を目的に、民間と行政の初の提携となる『フレンドシップ提携』が交わされた。この提携によりそれぞれの観光資源や特産物を活かし、相互交流を図りながら活性化を進めている。
八千代町は人間尊重精神である『敬老の日』発祥の地、そして垂水は『いかなごのくぎ煮』発祥の地とされており、定期的に八千代町の祭りに垂水の海産物屋台が出店し、八千代町の間伐材を用いたイスを垂水商店街に設置するなど、『ココロとモノとの提携』が進められている。
これからの垂水商店街は、なくなりかけている商店街の雰囲気を保ちながら、お年寄りにやさしいまちづくりを目指している。そして、周囲の商業施設と連携を図りながら更なる発展に邁進している。
(2004.12月発行)