■湊川商店街(兵庫区)(NO.4)

湊川商店街
 湊川商店街は市営地下鉄、神戸電鉄湊川駅下車すぐ、新開地からも5分とかからない利便性を誇る。「湊川商店街振興組合」が誕生した昭和38年、全国各地から2,000人を超える視察団が訪れた。昭和41年から、再開発事業によって「パークタウン」、「センタービル」「プラザビル」が相次いで完成するなど、他商店街に先駆けて近代化に取り組んできた。
 商店街は平日の午前中にもかかわらず人通りが絶えない。お客は地元住民が大半を占めるが、商店街周辺には病院などが多く、多方面から訪れるお客も少なくない。各店、陳列も整然とし商品が選びやすいが、「活気はどの商店街でも見られるようにピーク時より下降気味」(商店街関係者)であるそうだ。
 そこで「既存のお店1店舗ずつ危機感を持ち、皆でやっていかなければならない」と周辺に遅れをとらないよ う、大型店対策を検討し始めた。そして「初心に戻る」事に取り組んだ。例えば、汚れている箇所があれば掃除なども皆で協力してすぐ実施する。掲示板の運用やBGMなど、基本を意識することを心がけている。空スペースにベンチを設置し、お客の憩いの場を提供するなど工夫に余念がない。

「丹波秋の味覚物産」でにぎわう湊川商店街
 「お店は、お客様に可愛がってもらって、お客様に育てもらう。そのお客様の要望に答える事でお店のファンを益々増やしていき、言わばお客様の為に店をどんどん変化させています。」と宣伝副委員長の松井さんと話す。
 「お客様を大切に」といった気持ちはイベントでも反映している。取材で訪れた10月15日から3日間、「丹波秋の味覚物産」が開催されていた。このイベントは「地域のお客様に還元をしたい」との意向で震災後から春と秋の2回行われており、今年で9年目をむかえる。丹波から本場の名産などを取り揃えたブースが20店舗以上並ぶ。地域に定着しているため例年楽しみにしている多くのお客で賑わう。また「つきたてのお餅の振る舞い」や「お子様ゲーム大会」なども併催されていた。
 「今後は、地域密着をもっと深め、イベントなどで学生、婦人会、老人会など交流していきたい。」と松井さんは力を込める。
(2004.11月発行)