■「京都向日市激辛商店街」(京都府向日市)
(NO.12)
激辛商店街のぼり
〜立地とまちの特長〜
向日市は京都駅までJRで8分。新大阪駅までは35分とアクセスが良いため人口密度が高い。人口は約5,7万人。まちの特産品は筍(竹)。
阪急東向日駅からJR向日町駅までの道路沿いと周辺に店舗が点在している。この商店街の近くにイオンモールがオープンすることになった。この危機に立ち向かうために何か対策を打つことが必要になった。
〜商店街の危機を救う「激辛」〜
そこで始めたのが、竹馬の全国大会。西は広島、東は東京から、全国の竹馬名人たちがエントリー。昨年で第16回を迎え、500人近くが参加する大規模イベントとなった。 竹馬で集客はできているものの、商店街に経済効果がなければ活性化とは言えない。話題性のある仕掛けが必要ということで、向日市商工会のリーダーが発案したテーマが「激辛商店街」。
平成21年7月から、この企画に賛同したまちの飲食店各店が、激辛メニューの提供を始めた。激辛メニューの条件は ◎辛い ◎美味しい◎また食べたくなる の3点。激辛担々麺・死神チャーハン(世界一辛い唐辛子を使用)・激辛大福等の人気メニューが生まれた。参加は飲食店だけでなく、不動産店では「辛口査定」「駅から徒歩25分の辛口物件の仲介」、クリーニング店は「辛口おやじの激辛しみ抜き」などのユーモアあふれるメニューも提供している。
激辛好きな人たちを広く集め、リピートしてもらうことが目的だ。「激辛」の打ち出しは功を奏して、20店舗で始まった参加店が今では70店舗近くまでになった。
〜お金をかけずに情報拡散〜
PRに一番効果があったのが、インターネットを活用した情報拡散。激辛商店街を訪れた一般客が、激辛メニューや話題提供のためにつくられた面白交通標識をブログやSNSで拡散してくれた。
京都新聞の地域版への情報提供も非常に重要だ。京都新聞のウェブ版に掲載されると、大手ネットサービスのYahoo!ニュースに掲載される可能性がある。(※各地方の新聞とYahoo!は提携)これまでに過去3回Yahoo!ニュースのトピックに掲載されたが、その日は激辛商店街のホームページにアクセスが殺到。メールや電話、取材の問い合わせが相次いだ。その問合せの中には大手企業も数多くあり、大手コンビニとのコラボメニューの発売などが実現した。
激辛マニアは事前に商店街ホームページで予習して周る店を決めてやってくる。そのためホームページの充実も必須である。
〜ショッピングモールとの連携〜
「激辛商店街」の取り組みを進める中、懸案だったイオンモールが平成26年に開業。「激辛商店街」の取り組みの成功を受けて先方から提携を提案された。商店街のチラシを館内に設置、イベント開催の場所提供などの協力を得て良い関係が続いている。
手書きPOPでアピール
激辛大福・饅頭「天国と地獄」
吉本新喜劇とのコラボ商品と商店街MAP
●「激辛商店街」の成功ポイント●
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ターゲットを絞る↓間口の狭いジャンルには熱狂的なファンがいる。その客層を対象にした晴れ舞台を用意すれば全国から参加者が集まる。
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ブログやSNSでの情報拡散を強化↓取り組みが浸透するまでは、激辛商店街の情報を拡散してくれた人たちにできるだけお礼のメッセージを送る。その積み重ねがリピーターの来店と新規来店につながる。
(2018.5月発行)