■「千林商店街」(大阪市旭区)(NO.9)
※4月に他都市商店街視察で訪問した千林商店街の取り組みを紹介します。

1000ピースプロジェクトフリーペーパー
 梅田から地下鉄谷町線千林大宮駅まで7分、京阪京橋駅から千林駅までは7分という交通アクセスが便利な千林商店街。大阪と京都を結ぶ京街道の道筋でもあったため古くから商業活動が盛んで、月に数回定期市が開催されていた。その市が商店街となり、100年の歴史を持ちながら今でも大変賑わう商店街として全国から注目を浴びている。
 昭和32年「ダイエー主婦の店(1号店)」が商店街内に開店、翌年には「ニチイ」が出店し激しい競合がなされた結果、日本一安い商店街として多くの人たちが買い物に訪れるようになった。そして、商店街活性化策の“三種の神器”の一つと言われる「100円商店街」を初めて実施するなど、新しい取り組みに挑戦し続ける進取の気概が評価され、昨年、中小企業庁が選ぶ『がんばる商店街77選』に選出された。
 商店街活性化の取り組みにおいて、女性や若手の活躍が目覚ましい。『がんばる商店街』選定理由の一つにもなった「1000ピースプロジェクト」((株)全国商店街支援センター 課題別活性化策の実証モデル事業)では、商店街のファンづくりの場を形成、千林界隈のまちのPRを担う一般レポーターを募集し、商店主と一緒に千林の魅力を発信する楽しいフリーペーパーを発行している。

平日午後でも大勢の買い物客で賑わう
 マスコミによく取り上げられて話題になっているのは、他の商店街とのコラボイベント。なにわの台所・黒門市場の「てっちり振る舞い」と千林商店街の「現金つかみどり」という名物イベントを交換し、互いの商店街で開催。4月末の「100円商店街」には、黒門市場と、枚方市の宮之阪中央商店街が100(縁)応援商店街として出張出店した。4月から増税となったが『8%になっても100円商店街』をテーマとして、税込100円の目玉商品で集客を図り盛況だったという。
 「商店街に大切なのはとにかく集客。メディアの宣伝力を活用しながら新しい取り組みに挑戦している。新聞やテレビに露出することの集客効果は大きい。目指すのは『日本一元気な商店街』。神戸の商店街からもお声をかけていただいたらいつでも協力します。」と西川徹理事長は他団体との連携に積極的だ。
 長年の交渉の結果、商店街振興組合会員に未加盟の店舗は無く、次世代育成も順調。先々代から100年間守り続けた商店街の
未来は明るいようだ
(2014.6月発行)