■はたっこ太鼓  (NO.20)

はたっこ太鼓の力強い演奏
 北区八多町の学生らで活動する和太鼓集団「はたっこ太鼓」は、震災以降神戸の被災者を元気付けるため仮説住宅団地や復興住宅を舞台に、あるいは商店街をはじめとした地域のイベントに参加し、力強い太鼓の音色を響かせ続けている。
 震災前年の94年に発足。兄弟や友達が演奏する姿を見て参加したメンバーが多く、市内各所を巡ることで出会った人々とのふれあいが、そのモチベーションを高めていった。昨年3月、発足当時小学生だったメンバーの多くが高校を卒業したのを機に解散。だが「すでに太鼓が生活の一部になっていた」というメンバーが集まり、再結成された。
 複雑な音響装置を必要とせず、太鼓と自分の身体だけで駆けつけられる機動力の高さが強み。一見単純に感じられる太鼓の音色は、身体の内側から感動を沸きあがらせる力を持っている。彼らが演奏をはじめると商売人も店先にで て、お客さんと一緒に手を打ち鳴らす。時にはそのリズムに合わせて踊りだしてしまう人も。
 チームリーダーの仲淳平さんは「自分たちが今までもったつながりは、太鼓をやっていたからこそ築けたものばかり。これからも大好きな太鼓の音で、たくさんの人に元気を分けていきたい」と話していた。
(2006.11月発行)