■補助金の取り方  (NO.36)
 いやー、おもしろかったですねぇ、サッカーW杯。世界の精鋭たちのプレーにワクワクさせられっぱなしでした。健闘した日本も素晴らしかったです。着実に世界のレベルに近づきつつあるのが実感できました。4年後が楽しみです。
 さて、この原稿を書いているのは参議院選投票日の翌日で、「与党過半数割れ 民主大敗衆参ねじれ」なんていう見出しが新聞に載っています。ただし、民主党が政権政党であることには変わりがないので、またいろんな政策がガラッと変化するということはないでしょうから、まちづくりや商業関係の施策もしばらくは同じ路線でしょう。減らされつつあるいろんな補助金をうまくもらって、有効に活用することがますます必要になっています。
 その補助金はどう取ればいいのでしょうか。国も自治体も申請すればすぐにもらえる、という制度ではありません。公共のお金(つまり税金です)で、しかも限られた額しかありませんから、審査を受けて通らなければなりません。大抵は書式が決まっているので、それに合わせて記入すればいいわけですが、重要なのはそれぞれの補助金メニューに応じたどんな事業をどんな体制で実行するのかが明確であることです。
 地域連携が求められている事業なのに単なる人集めのイベントであったり、高齢者対応の事業で宅配サービスを考えているのに商品の配達体制が不備だったりすると、審査員としてはゴーサインを出せないのです。事業のアイデアだけでなくて、それを実行する体制がきちんと構築されていることが必要なのです。
 さらには、組織として意志決定がなされていること、つまり一部の組合員ではなくて、その事業が組織のものとして認められていることも重要な審査対象になります。また、それと関わって組織の財政状況も重要なポイントです。組合員からきちんと組合費が納められているか、収支の状態は悪くないか、補助金頼みではなく自己負担に耐えうるかなど。要するに、法人格を持った組合が組織として人と金の両方でうまく機能していることが求められているのです。
 さらにさらに、もうひとつ重要というか、多くの審査員が指摘することなのですが、地域連携事業でも、高齢者対応事業でも、安全・安心まちづくり事業でも、また、エコ対応事業であっても、それぞれの事業が商店街が商店街としての本丸、すなわち商売という面で、個店の売上げ増進や商店街全体の販売促進にどう「つながる」のかが常に気になるのです。 今の時代に商店街がいろいろと地域に貢献しなければ、商店街の活性化はおぼつかないとしても、それらの事業を販売促進へとつなげるひと工夫を事業の中に組み込むことが肝腎なのです。
 事業のアイデアを練り、細かい予算表を作成し、実現可能な事業計画を作ることはなかなか大変な作業です。時間もない手も足らない商店街も多いでしょう。そんな時には、専門家に手伝ってもらうのもひとつの方法です。県や市、商工会議所にはそのための窓口もあります。補助金獲得のために大いに利用しましょう。
 次のW杯は4年後です。それまでに日本代表は今よりもっと強くなっているでしょう。商店街もこれからの4年間で本田や遠藤のような、いやそれ以上のスーパーシュートを打てるようになりたいものです。
(2010.8月発行)