■回遊性と商店街  (NO.27)
 鉄人28号が完成しました。巨大ロボットではありますが、その愛らしい格好は最近のガンダムのような機能的なスタイルとはまた違って、どこかしら私たちを魅了するものがあります。誰かが「あのメタボなスタイルがほっとする」と呟いてました。アニメではなく漫画から生まれたヒーローならではです。新長田のシンボルとして、ひいては神戸のシンボルとして長く人々に愛されることを願って止みません。
 このモニュメントを起点として、来街者が国道2号線を超えて商店街を歩き回ってもらうことが、新長田地区の活性化のポイントです。JR新長田の駅前にあるので、鉄人そのものは簡単に見てもらえるのですが、それだけで帰すのはもったいない話です。計画では南に「三国志ミュージアム」を建設して、鉄人とミュージアムによる回遊性を作り出すことになっています。肝腎なのは単に回遊してもらうだけではなく、その途中でなんとかお金を落としてもらうことなのです。いろんな人が集まって「にぎわい」ができることも、もちろん大切ですが商業者にとってはその「にぎわい」を「なりわい」(生業)に繋げないと食ってはいけないからです。
 そのためには来街者が思わず立ち寄るお店をたくさん配置しなければなりません。ひとつはやっぱり「食」です。すでにぼっかけコロッケや長田名物のそばめしなどはありますが、鉄人を見に来る親子連れが楽しめるような食も必要です。例えばスイーツ。
 さらには携帯ストラップなどのグッズもいるでしょう。男の子には鉄人28号。女の子には「魔法使いサリー」。ここで「横山漫画ワールド」を展開するのです。ついつい大人の視点で見がちですが、若い世代に鉄人を初めとした横山ワールドをアピールしないと先細りになります。そうです、親子連れは重要なターゲットなのです。

40代の父 「鉄人28号を観に行こう」
小学生の息子 「鉄人28号って何?」
 「あの横山先生が書いたロボットだよ」
息子 「ふーん。横山先生は知らんけど、ロボットなら観に行ってもいいよ」

 こんな会話があちこちで聞こえてきそうです。
 最近ではお店の魅力だけでは回遊性は実現できません。まちの魅力や人々を引きつけるプラスαがないと、遊びに来てくれません。よく言われるように、点から線へ、線から面へという広がりが必要なのです。まずは地元で大いに盛り上がって、お店やまちなかでいろんな催しが連続的におこなわれることを楽しみにしています。
 私的には伊賀の影丸に会いたいです。忍法、木の葉隠れ!!
(2009.11月発行)