■「メトロこうべ名店会」(中央区) (NO.87)

メトロこうべ入口(新開地駅側)
 新開地駅直結の「新開地タウン」と高速神戸駅側の「神戸タウン」からなる地下街型の商店街。神戸タウンに隣接するデュオこうべを通ればハーバーランドまでつながっており、その便利さから多くの人々に利用されている。

時代に合った変化を
 今年、開業四十五周年を迎えたメトロこうべに新しい風が吹き始めた。これまで商店街運営を支えてきたベテラン世代と、30代・40代の若手が一体となり、新たな取り組みに挑戦しているのだ。
 若き40代である高橋清之会長が就任して今年で2年目。理事を経て会長になり、これまでの組織の良さは守りつつ、今の時代に合わないものの見直しに理事全員で取り組んだ。
 例えば会則。昭和に作成したままだった内容を、高橋会長は、事業部長の時代に改定。そして、これからは会長一人の力で進めていく時代ではないと考え、理事たちが意見を出しやすいような会議の雰囲気づくりを心掛けた。その結果、商店街をより良くするための意見が皆から出るようになり、意識向上と一体感につながった。

冬の大感謝祭「クリスマスぬり絵」
〜持参された作品を華やかに装飾〜
皆で考えイベント初挑戦
 そこで新たに生まれたイベントが「クリスマスぬり絵」の展示。umie開業後に増えた家族連れ客の利用促進を狙ったもので、メトロこうべ初の子ども向けイベントとなった。新聞折込にしたSALEチラシ裏にぬり絵を記載。完成させてメトロこうべに持参すると先着でお買い物券が貰えるという企画。回収数は50枚と、初回にしてはまずまずの反響。館内の柱に可愛らしく色塗りされた作品が展示され、買い物客の目を楽しませた。  お正月には、湊川神社の初詣客の利用を見込んで「新春書道展」が開催される。管理会社の協力を受けた空き店舗活用の取り組みで、こちらも初の試み。「クリスマスから年始までの長期的なイベント実施は初めて。今までは経費の問題で難しかったが、皆の知恵をしぼって実施できたのが嬉しい」と高橋会長。

プロの力を活用
「取り組みを決定する場合、外部の専門家から商店街側の希望をふまえた提案をしてもらえると、会員は意見を言いやすく、かつまとまりやすい。また若い人のアイデアは良い案が多いので、プロの知恵と助けを借りて実現につながれば理想的。商店主でもある会員は店を空けられないので、商店街活性への思いはあれども実行のために動くのは難しい。なので、本年度の市の事業『コミプロ』のようにプロの助けを借りる取り組みはとても効果的だと思う。」と高橋会長は専門家参加の意義を語る。
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 新たな取り組みを始めた今年は、大きな転機となった。先日、とあるイベント会社が視察に来て、卓球場や古書街、広場のあるレトロな雰囲気を絶賛したそうだ。大きな壁画が並ぶ通路の不思議な雰囲気は、他にない個性で魅力的である。古き良き財産を大切にしながら、新しい挑戦を始めていくメトロこうべに要注目だ。
(2014.1月発行)