■がんばれ商業課!!
(NO.80)
行政がいくら旗振りをしても、地元や関係者が動かないと活性化は進みません。また、地元がやる気を出しても行政が動かないと、これまた活性化は進みません。当たり前の話ですが、商店街の活性化やまちづくりが進んでいるところは、地元と行政がうまく連携しています。そして、地元と行政に必ずキーマンがいます。
私の経験でいうと、とある都市で、商工会からの要請でまちづくりNPOが駅前の再開発を計画策定して、関係者や地権者の合意を得るところまでいきましたが、肝心の行政がまったくの及び腰で計画が頓挫しました。地元のやる気を行政が台無しにしてしまうという最悪のシナリオでした。
また、別の都市では、行政のキーマンが庁内の事情で別の部署に移り、3ヵ年の事業計画の3年目に事務局体制が変わってしまい、事業運営が滞りつつあります。せめて事業が終わる年度までは同じメンバーでやりたいのですが、そこは「大人の事情」というやつでしょうか。行政との仕事にはつきものなのですが、いつも不満を感じてしまいます。
ここには4年間関わっていますが、市民や市内の事業者が出席する委員会に市長は挨拶にも来てません。庁内でどんな位置づけがされているのかは分かりませんが、実績もあげて結構重要な事業だと思うのですが、関係部署だけでなく組長(組織の長)のやる気も大事だと改めて思います。
組長が変わった神戸市は、このやる気が見えてきました。ここ数年、商店街・市場に対しては従来のイベント補助以外にも「地域商業活性化チャレンジ事業」といった地域の課題を解決する事業への支援策を講じてきましたが、この度は、いち早く産業振興局に商業流通担当部長という新しいポストを創り、予算も大幅に増額しました。この増額で、補助率3分の2、年500万円を上限とする3年間の事業計画に基づく支援制度が新設されました。これは、前述した「チャレンジ事業」の提案型公募で、一年目に地域ニーズ等の調査が可能になり、2年目以降はそれに基づいて事業計画を策定・実施することができます。しかも、その事業が先進的な取り組みなら、補助率は4分の3で、上限年1千万円となります。募集数も大幅に増えました。
どうです、神戸市のやる気が見えるでしょ。もちろん、新しい制度や仕組みができても商店街や市場もやる気を出して応募しなければ、絵に描いた餅になります。多くの商店街・市場がこの支援制度に応募することを期待しています。
商業課の仕事は本気でやろうと思えば結構大変なんです。商店街や市場の会議はほとんど夜ですし、イベントがあれば休日でも出向かないといけません。時には商業者と夜を徹して話し合いをしたり、叱咤激励も必要でしょう。いわゆるお役所仕事では現場との信頼関係は築けません。新しい部長さん以下、商業課のメンバーの奮闘努力を大いに期待しております。今のメンバーならきっと大丈夫です。
商業課のみなさん、おきばりやす!!
神戸市 産業振興局 商業課の皆様
(2014.4月発行)