■2位じゃダメなんです
(NO.41)
今年の干支は兎(卯)です。油断して途中で休まないようにしましょう。と書くと、ベタな喩えですね。兎は前足が短くて、後ろ足が大きいので坂道を下るのは苦手だそうです。坂道を登るほうが得意というのは、逆境に強そうで商店街のシンボルにもなりそうです。あのレースでもコースが上りの坂道だったら、休む暇もなくあっと言う間に勝ってたかもしれません。そうなると、物語そのものが成立しませんが・・・
さて、2010年の『現代語の基礎知識』(自由国民社)が選んだ流行語大賞は「ゲゲゲの」でした。NHKで放映されて境港の駅前商店街は一躍有名になりました。観光客が何倍にも増えました。テレビの力はすごいです。商店街にとっては吉となりました。これからは、活性化にもっとテレビを利用しないといけませんね。
それにしても、惜しかったです。兵庫区の水木通で紙芝居作家として出発した時に「水木しげる」というペンネームになったのですが、そのことにいち早く気がついて誰かが兵庫区で水木しげるロードを仕組んでたら今頃は・・・なんて思うのは私だけでしょうか。
この流行語大賞の候補に入っていたのが、民主党の某女性議員が事業仕分けの際に放った「2位じゃダメなんですか」です。当時(2009年11月)は、担当官僚のしどろもどろの返答に「いいぞ、その調子やー、もっとやれー」と民主党に過大な期待を持っていただけに、私でさえ快哉を叫んでいました。そんな期待も今はどこへやら、という話は置いといて、よく考えてみれば2位ではダメなんですね、やっぱり。これは何もスパコンだけの話ではありません。
どんな競争でも、特にスポーツを経験してる人にはよく分かると思いますが、みんな1位を目指して練習しているわけで、最初から2位を狙うなんてことはあり得ない。あるのは結果としての2位なのです。今回は調子が悪いから3位ぐらいでもいいや、なんて思っていると絶対に3位にもなれません。頂点を目指す覚悟がないと厳しい練習にも耐えられないからです。あの議員さんも元は某企業のキャンペーンガールに選ばれた人ですから、2位じゃダメなのを知ってるはずなのですが、分かっていてもああいう発言ができるほどしたたかということなのでしょう。
商店街も同じです。大阪府が実施している「大阪オンリーワン商店街創出事業」というのがありますが、その発想も1位を目指せということです。「オンリーツー」というのはあり得ません。どこかのコンビニのコマーシャルではありませんが、「地域一番店」を目指して今年もがんばってください。最後まで粘り強い亀であると同時に、スピードも大事ですから、兎の早さも併せ持った商店街として。
最近は、大した数でもないのに年賀状を書くのが億劫で、ずいぶんと義理を欠いています。この紙面をお借りして、関係各位のみなさまに新年のご挨拶を申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
(2011.1月発行)