■地元が一番!!  (NO.37)
 今年の夏は猛暑でした。毎日ほんとに暑かったです。家にいるだけで汗ダクになりました。そんな時には、クーラーのある部屋に逃げ込むのではなくて、朝から思いっきり汗をかいて、昼飯時にビールを一杯飲むのが欠かせない日課になりました。(お昼にビールを飲めない人、すいません!!)
 家で缶ビールを飲む、というのではなく、やっぱりよく冷えた生ビールです。そうすると問題はどこで飲むかです。近所のお店で生ビールを飲ませてくれる所を探して順番に回ったりしてました。食べたいものはあるのに、生ビールが無い時は、瓶ビールで我慢します。
 とくに好きなのは中華料理です。餡かけ焼きそばや餃子、ラーメン、唐揚げなど、どれも生ビールにはぴったりです。徒歩と自転車で行ける範囲に5軒ほどあるので、気分に合わせてお店を選びます。神戸といえば元町に中華街があって、名前の通った中華料理店が元町・三宮界隈に数多くありますが、そういう有名店ではなくて地元の中華料理屋さんがいいのです。
 地元を見回すと結構中華料理屋さんがあるはずです。店の規模は小さくても、味では有名店にも負けていません。中には、「おっ、これはいける」というお店に当たることがあります。そういうお店はすぐにマイリストに載ります。ラーメンでも、流行の専門店ではなく、中華料理屋さんのラーメンの方が好きです。
 中華料理だけではありません。地元には「隠れた名店」が数多くあります。知っている人は知っているお店、ランチ時には行列ができて、結構遠方から食べにくるようなお店です。地元をぶらぶらしてそんなお店を探すのも楽しみのひとつです。リストにお店が増えてくるのはうれしいものです。
 『ミーツ・リージョナル』という雑誌の元編集長の江弘毅(こうひろき)さんが書いた『街場の大阪論』(新潮文庫)に、『わたしは常々「うどんとお好み焼きと洋食(おっと鮨も)は自分の〈地元〉のが一番うまい」と思っている』という一文があります。私はこれに「中華料理」を加えたいと思っていますが、わざわざ三宮や元町まで出かけなくても、まち中にあるお店でおいしくいただけるのです。(この本はいろんな示唆に富む読み物ですので、ぜひ読んでみてください。)
 かつては商店街はそういうお店の集まりでした。飲食店だけではありません。全部が「わが地元のお店」だったのです。今では、空き店舗にチェーン店が入り、特色のない風景が広がりつつあります。空き店舗が埋まることは商店街にとってはいいことですが、地元色は薄まります。地元を大事にし、地元に大事にされる商店街の再生はやはり永遠のテーマなのです。
 連載開始から丸3年経ちました。いろんなことを思うがままに書き連ねて、というより書きなぐってきましたが、気を引き締めて4年目も頑張りたいと思います。誰が頑張れと言った、という声も聞こえてきそうですが・・・これからもよろしくお願いします。
(2010.9月発行)