■「JR三宮駅東高架下商業会」(中央区) (NO.92)
JR三宮駅東高架下商業会
 その名の通り、JR三ノ宮駅東口を出てすぐの高架下に商店が並んでいる。JR、阪神、阪急、ポートライナー、地下鉄、市バス、と神戸の主要な公共交通機関が集まる中心地であるため、早朝から深夜まで365日、老若男女・年齢・国内外を問わず、通行客が途切れることがない。
 商業会会員は、喫茶店や旅行会社、居酒屋などの計7店舗。昔の風情を残した高架下の雰囲気は、神戸ならではの品を保ちつつ、気取らない温かみがある。
★ポートピア 〜震災〜現在へ
 当会会長の紀和(きわ)重雄氏に歴史を振り返っていただいた。
 「ポートピア?81の開催を控えた1980年、多くの観光客が訪れることを見越して、それまでの個店の集合体から商業会に組織化し、当会の歴史が始まった。阪神・淡路大震災で周辺の建物が壊滅的な被害を受けてガスと水道が止まっていた中、亡き父と一緒に、天然の布引の水とカセットコンロで火を起こして、熱いコーヒーやレトルトのカレーを提供したことが思い出深い」。リーダーシップを発揮して復興に尽力した父親の背中を見て、紀和会長は人をまとめながら仲良くなることを学び、現在の組織運営に活かしているという。
JR三宮駅東高架下商業会
★美しいまちを守る取り組み
 毎年4月末、三宮東まちづくりの会(当商業会、JR三ノ宮駅、ミント神戸、サンシティビル、サンパルビル等で構成)が連携し、あじさい通りにチューリップの花を敷き詰める「インフィオラータ」を開催していて、毎年多くの人たちが訪れる春の風物詩となっている。
 平常時でも常に人通りがあって賑わっている反面、それゆえに抱える悩みも多い。
 すぐ近くにミント神戸が開業するに当たり、神戸市からの指示を受けてこれまで各店頭に置いてあったごみ箱を店内に移動した。おかげで歩道の美化は向上したのだが、このための内装工事等が自己負担だったため、各店の協力を得るための調整に大変な苦労があった。
 バス停前にベンチを設置した際は、手すり付きの形状のものにして、ベンチで横になれないようにする工夫を行った他、昨年12月には、補助金を活用して防犯カメラを設置した。これらの整備により、違法・迷惑行為を減らすことに成功した。
 現在の一番の悩みは、駅周辺にあふれんばかりで歩行者の安全を脅かしている駐輪問題。主な原因が、鉄道事業者(JR・阪急・阪神・地下鉄等)と周辺商業施設の駐輪施設提供不足や不備にあるのは否めない。そのため、神戸のまちらしさを失わぬよう安全なまちづくりを目指して、神戸市・市商連・地域の他団体と連携して取り組もうと準備が進められている。
(2014.11月発行)