■兵庫駅前ショッピング・ユー商店街(兵庫区)
(NO.34)
開業当時のショッピング・ユー
JR兵庫駅北側は、白く巨大なツインタワーがそびえ立つ。2棟の20階建の公団住宅、兵庫勤労市民センター、魅力たっぷりの専門店が、豊潤な重箱を築いている。
地下1階から地上2階、核テナントの関西スーパーを含めた44店舗で構成する「兵庫駅前ショッピング・ユー」は、5月31日から2日間、”オープン35周年感謝祭”を盛大に開催した。
兵庫駅前ショッピング・ユーは、山陽電鉄のターミナルであった旧兵庫駅跡地に、再開発ビルとして1973年に誕生した。市内でも先駆けとなった巨大再開発で、開業当初は大勢の買い物客であふれかえっていた。
震災の前後から、同ショッピングセンターを取り巻く外部環境が大きく変化してきた。震災の1年前に、北へ徒歩5分の大開駅前に複合ショッピングセンターが開業。震災ではビルが半壊し、営業再開までかなりの時間を経ることとなった。
震災後は、駅南地区の再開発、工場跡地のマンション建設などで、周辺人口は伸びているものの、比例して食品スーパーなども乱立し始めた。
厳しさを増す商環境だが、専門店の集積を活かした様々な活動を続けている。特に「自前ホームページ」の充実は目を見張るものがあり、買い物客にとっても見逃せないお得な情報を入手できる。現在、積極的に進めているのが、組合員による市民救命士講習の受講と、AEDの設置だ。組合員の意識も高く、「来館者に安心を提供していきたい」と同ショッピング・ユー商店街(振)の猪師秀樹理事長は手ごたえをつかんでいる。
また、同商店街は新規入店を含め、若手商業者が増えつつある。「悩みを共有しながら、様々なことを話し合えるネットワークを作っていきたい」と猪師理事長は話す。
兵庫駅前の「顔」として、若手とベテランが共存共栄しながら、40周年、50周年と歴史を刻んでいく。
(2008.7月発行)